CLion の新機能

CLion 2024.1 では、CMake の編集エクスペリエンスの向上、マルチプロセスデバッグ機能、デバイスツリーファイルでのより正確なハードウェアの記述支援、および大幅に改善されたバージョン管理システムとの統合の導入が行われています。

主な更新内容

CMake に関する更新

CMake に関する更新

CMake スクリプトの編集は難しいと感じていませんか? CLion 2024.1 では CMake ターゲットの記述支援が強化され、さらに簡単にスクリプトを編集できるようになりました。 CLion は新しいターゲットを作成するためのライブテンプレートだけでなく、コード補完、ナビゲーション、およびターゲット名の使用箇所の検索を提案します。

詳細

デバッグの強化

デバッグの強化

CLion のデバッガーバックエンドとの統合は継続的に改善されています。 この最新リリースでの CLion では、マルチプロセスターゲットをデバッグすることが可能です。 最新の GDB 14.1 バージョンが組み込みでサポートされており、GDB ユーザーはその恩恵を受けることができます。 GDB インデックスの作成を後押しする新しいオプションも追加されているため、デバッグのパフォーマンスがさらに向上します。

詳細

Meson のサポート

Meson のサポート

CLion の Meson サポートは継続的に改善されています。 この 2024.1 バージョンでは多数の便利なコマンド、Meson のカスタム設定、および CLion の New Project(新規プロジェクト)ウィザードから新しい Meson プロジェクトを作成するオプションを備えた Meson ツールウィンドウが導入されています。

詳細

VCS 関連の改善

VCS 関連の改善

CLion と他の JetBrains IDE で VCS のサポートが大幅に更新され、差分ビューアーの強化、ブランチ検索機能の改善、コードレビューワークフローの合理化、およびサブシステム全体にわたるその他多くの有効な改善にが行われました。

詳細

CMake

ライブテンプレート

ライブテンプレート

新しい CMake ターゲットが必要ですか? add_executableexe を入力)と add_librarylib を入力)CMake コマンドを自動作成する新しいライブテンプレートが追加されました。

ターゲット名の補完

ターゲット名の補完

CLion で CMake コマンドのターゲット名が補完されるようになりました。 これにより、ファイルからターゲットへのリンクやその他のターゲット関連の操作の実行が簡単になりました。

ターゲット定義への移動操作

ターゲット定義への移動操作

特定のターゲットが定義されている箇所をお探しですか? CLion でターゲットの使用箇所を 1 回クリックするだけで、対応する add_library または add_executable コマンドに移動できるようになりました。

ターゲットの Find Usages(使用箇所の検索)

ターゲットの Find Usages(使用箇所の検索)

プロジェクト内のターゲットのすべての使用箇所を Find Usages(使用箇所の検索)(Alt+F7)でリスト表示できます。 ツールウィンドウ内の項目は使用箇所とターゲットの定義に分類されます。

必要最低バージョン

必要最低バージョン

CMake の必要最低バージョンが指定されていないことが原因で CMake が読み込みに失敗した場合、CLion は CMake ツールウィンドウで修正を提案します。 Fix...(修正...)をクリックすると、CLion が cmake_minimum_required コマンドを更新します。

CMake のプリセットの読み込み

CMake のプリセットの読み込み

CLion にインポートする CMake プリセットのタイプを構成できるようになりました。 たとえば、インポートリストから Configure(構成)オプションを選択できるようになっています。 これを行うには、Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Advanced Settings(詳細設定)| CMake | Automatically import CMake Presets(CMake プリセットの自動インポート)を使用します。

最後になりますが、CLion 2024.1 には CMake バージョン 3.28 がバンドルされています。

Meson

Meson ツールウィンドウ

Meson ツールウィンドウ

CLion バージョン 2023.3 から Meson プロジェクトモデルをサポートするようになりました。 このサポートに伴い、Meson ツールウィンドウ(View(表示)| Tool Windows(ツールウィンドウ)| Meson)が追加されています。 このウィンドウにはビルドターゲットに加えて、cleaninstalltest などの便利なコマンドのリストが表示されます。

新しい Meson プロジェクト

新しい Meson プロジェクト

新しい Meson プロジェクトを開始しようとしていますか? CLion の New Project(新規プロジェクト)ウィザードにその作業を効率化するオプションが導入されました。 この新しい Meson プロジェクトのファイルテンプレートは、Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Editor(エディター)| File and Code Templates(ファイルとコードのテンプレート)| Meson Project(Meson プロジェクト)で構成できます。

Meson 設定

Meson 設定

Meson 実行可能ファイルへのカスタムパスを指定する必要がある場合には、CLion の Meson 設定で指定できるようになりました。 また、Setup options(セットアップオプション)フィールドを使用して追加の Meson コマンドを指定することもできます。

デバッガー

フォークされたプロセスのデバッグ

フォークされたプロセスのデバッグ

CLion でマルチプロセスターゲットをデバッグできるようになりました。 最新リリースでは、コンテキストメニューから追跡ポリシーとデタッチポリシーを更新できます。 この機能は Linux(LLDB および GDB)とリモートツールチェーン(WSL、リモート、Docker)で使用できます。

これらの設定に関する詳細は、ドキュメントをご覧ください。

デバッガー関連のその他の改善

  • CLion に GDB 14.1 がバンドルされるようになりました。 CLion のこのバージョンでは、当初から破損していた標準型の表示が修正されています。
  • GDB でパフォーマンスに関する問題が発生した場合は、新しい設定をお試しください。 この設定は Linux マシン上で IDE から起動された実行可能ファイルに機能します。 有効にした場合、CLion がデバッグセッションの開始前に GDB のインデックスを準備します。

デバイスツリー

ハードウェアの開発に携わっており、デバイスツリーファイルを作成している方は、CLion バージョン 2023.3 で追加されたデバイスツリーファイルのコーディング支援を活用できます。 この新バージョンではデバイスツリーファイルでのコード解析を改善し、CMake を Zephyr 設定とデフォルトで同期しました。

プロパティの型チェック

プロパティの型チェック

バインディングを使用してノードプロパティを検証するため、無効なプロパティの型と必須または未宣言のプロパティに対する新しいチェックが導入されました。

Duplicate elements(重複する要素)

Duplicate elements(重複する要素)

Duplicate element(重複する要素)インスペクションは、デバイスツリーノード内の重複する要素を検出します。 検出されるのは、同じ名前を持つ 2 つ以上のプロパティまたは 2 つ以上のノードです。

列挙型の値チェック

列挙型の値チェック

列挙型が使用されている場合、CLion はそのようなプロパティの値を検証し、許可されない値を報告できます。

コード補完

コード補完

デバイスツリーファイルの作成を支援するため、ルートノードのコード補完を追加しました。

新しいターミナル ベータ

新しいターミナル

JetBrains IDE バージョン 2024.1 では新しいターミナル(ベータ)を使用できるようになりました。 古いターミナルと新しいターミナルの切り替えは、Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Tools(ツール)| Terminal(ターミナル)| Enable New Terminal(新しいターミナルの有効化)で行えます。

この機能セットを拡張し、IDE の最新の使用感に合わせて外観の改善と調整を行いました。

  • 各コマンドを個別のブロックとしてターミナルに配置するようにしました。 各ブロックは視覚的に分離されているため、開始と終了を簡単に確認できます。 方向キーによるブロック間の移動も、Ctrl+↑ / Ctrl+↓ キーボードショートカットによるプロンプトと出力間のフォーカスの切り替えも簡単に行えます。
  • コマンド、パス、引数、オプションなどのドキュメントのコード補完を使用することで、必要なタスクをより素早く起動できます。
  • 新しい Terminal(ターミナル)ツールウィンドウでは、コマンド履歴も使用できます。
  • Terminal(ターミナル)ツールウィンドウで使用されるカラースキームが更新され、可読性が向上しています。

Bash、Zsh、および PowerShell のみがサポートされており、他のシェルに対するサポートも開発中です。 詳細については、こちらをお読みください

バージョン管理

このリリースの CLion では、VCS のサポートに関する以下のような更新が行われています。

  • GitLab および GitHub リポジトリのエディター内コードレビュー。
  • Git ツールウィンドウでの CI ステータスのチェック。
  • リポジトリへの大きなファイルコミットの防止。
  • Commit(コミット)ツールウィンドウの新しい Stash(スタッシュ)タブ。
  • フォルダーとファイルを比較から除外するオプション。
  • まだまだございます!

すべての変更については、こちらをご覧ください。

IDE の UI の更新

スクロール中の行の固定表示

スクロール中の行の固定表示

新しいコードベースや大きなファイルの中を移動するのは苦労する場合があります。 その苦労を軽減するため、スクロール中に行を固定する機能をエディターに追加しました。 この機能を使用すると、クラスや関数の開始部などの重要な構造要素をエディターの上部にピン留めした状態でスクロールできます。 そうすれば常に表示範囲が固定され、固定表示の行をクリックして迅速にコード内を移動できます。

IDE 全体の縮小表示

IDE 全体の縮小表示

過去のリリースでは CLion に IDE 全体を拡大縮小し、同時にすべての UI 要素のサイズも調整される機能が導入されました。 ただし、導入時の表示倍率は 100%~200% に制限されていました。 今回は IDE を 90%、80%、または 70% に縮小できる新しいオプションを導入することで、より柔軟にカスタマイズできるようにしました。

その他の機能強化

  • CMake Application(CMake アプリケーション)実行構成でのみ提供されていた入力ストリームのリダイレクトオプションを C/C++ File(C/C++ ファイル)実行構成でも使用できるようになりました。
  • Assembly(アセンブリ)ビューが更新され、以下のように表示と UX が改善されています。
    • ARM ターゲットの Assembly(アセンブリ)ビューが正しく表示されるようになりました。
    • Assembly(アセンブリ)ビューの設定が即時に適用されるようになったため、手動で Refresh(リフレッシュ)ボタンをクリックする必要がなくなりました。
    • Assembly(アセンブリ)ビューを開いたファイルを編集する際、プレビューのリフレッシュを提案するヒントが表示されるようになりました。

CLion 2023.3 の新機能

CLion 2023.3 には技術プレビューの段階を経た JetBrains AI Assistant が搭載されており、コンテキストとプロジェクトの認識レベルがさらに向上した日常的な C++ 開発ワークフローに大いに役立つアクションが実装されています。 新しいリリースにはプロジェクトモデルのサポートの拡張、より詳細なコード解析と基になるアセンブリの表示に対応したツール、および組み込み開発者に便利なデバイスツリーファイルのサポートも備わっています。

主な更新内容

AI Assistant のプレビューが終了しました

AI Assistant のプレビューが終了しました 一般公開

JetBrains IDE の生産性を向上させる多数の新機能と改善が盛り込まれた JetBrains AI Assistant が一般公開されました。

CLion 2023.3 では、AI Assistant がより正確にドキュメントを生成し、ランタイムエラーを説明できるようになりました。 最新アップデートにはコンテキストを認識する AI チャットとプロジェクトを認識する AI アクションも含まれており、広範なコンテキストでより包括的な結果を提供できるようになっています。

CLion の AI Assistant は JetBrains AI サブスクリプションをご利用の場合にアドオン機能として使用できます。

CLion Nova

CLion Nova プレビュー

長らく未解決となっていたパフォーマンスと品質に関する問題を解決し、すべての C++ ツールのユーザーエクスペリエンスを統一するため、CLion Nova のリリース準備を進めている最中です。 これは、ReSharper C++ と JetBrains Rider の C++ 言語エンジンを搭載した無料プレビューバージョンの CLion です。 以下の内容を確実に実現します。

  • ハイライト速度の高速化
  • より応答性の高い UI
  • リファクタリングで発生するフリーズとハングの大幅な減少
  • Find Usages(使用箇所の検索)の高速化
  • テストインデックス作成の高速化

詳細を確認してプレビュー期間中に無料で使用する

C および C++ プロジェクトモデルの追加

C および C++ プロジェクトモデルの追加

広範なプロジェクトモデルが C および C++ プロジェクトに使用されています。 CLion は初期状態で CMake、コンパイルデータベース、Makefile、および Autotools プロジェクトに対応しています。 バージョン 2023.3 では待望の Meson サポートが備わっており、Bazel for CLion プラグインの多くの問題が解決されています。

変更内容の詳細を見る

C++ コードの改善を目指す取り組み

C++ コードの改善を目指す取り組み

CLion にはコーディング中に常に動作し、コード品質の改善を支援するデータフローアナライザーが組み込まれています。 バージョン 2023.3 では全体的な解析の正確性とパフォーマンスを改善し、メモリリーク解析を追加しました。

新しい解析の詳細を見る

コードを詳細に解析

コードを詳細に解析

CLion はコードの実際の動作を把握し、コードベースに潜むバグを探すのに大いに役立ちます。 新しい Run to Cursor(カーソル位置まで実行)インレイオプションを使用するとデバッガーでコード内を素早く移動できます。また、ファイルの Assembly(アセンブリ)ビューはバグを発見したり、コードの実行時パフォーマンスを最適化したりしようとする際に役立ちます。

新しい機能の詳細を見る

組み込み開発

組み込み開発

デバイスツリーは主にハードウェアの表現に使用される階層データ構造です。 Zephyr で広く使用されており、ハードウェアの初期構成を提供します。 CLion でこのようなファイルの読み取り、操作、および保守がさらに簡単になりました。 拡張子が .dts.dtsi のファイルは IDE でデバイスツリーファイルとして処理され、デバイスツリーでコーディング支援オプションを使用できるようになりました。

DTS サポートの詳細を見る

プロジェクトモデル

Bazel for CLion プラグイン

Google の Bazel for CLion プラグインに以下のような重要な品質改善が行われています。

  • CLion がインクルードされているヘッダーを探す際に strip_include_prefix 引数を考慮して正しいパスを使用するようになりました。
  • コードインサイトが Bazel の仮想インクルードの下でシンボリックリンクされているヘッダーに対して正しく動作するようになりました。
  • local_repository または new_local_repository を使って WORKSPACE.bazel に追加されたプロジェクトが CLion で正しく同期され、インデックス作成されるようになりました。

Meson のサポート

CLion に Meson のサポートが導入されました! CLion で Meson プロジェクトを開き、ビルド、実行、デバッグを実行できます。 すべてのプラットフォームに対応しており、WSL や Docker などのローカルおよびリモートのツールチェーンで動作します。

meson.build ファイルを編集しやすくするため、CLion は以下の機能を提供しています。

  • コードハイライト
  • Structure(構造)ビュー: ファイルに executable(...) コマンドと library(...) コマンドがある場合に実行可能ファイルとライブラリを表示します。

CLion で Meson プロジェクトを扱う方法を見る

CMake 関連の強化

CMake プリセットの条件である equalsnotEquals が新たにサポートされ、CLion がこれらの条件に一致しないプリセットを表示しなくなりました。

Assembly(アセンブリ)ビュー

ファイルの Assembly(アセンブリ)ビュー

ファイルの Assembly(アセンブリ)ビュー

CLion 2023.3 では、基になるアセンブリコードを調べる際にデバッグセッションが不要になっています! 新しい Show Assembly(アセンブリの表示)アクションは現在選択されている解決構成のコンパイラー設定を使用し、現在表示されている C/C++ ファイルのコードをアセンブリにコンパイルし、どのソースコードがどのアセンブリを生成したかを示すプレビューをエディターで開きます。

詳細

Intel の構文

Intel の構文

CLion のすべての Assembly(アセンブリ)ビュー(デバッグセッションの有無は不問)が強化され、x86 アセンブリ(Intel)構文に切り替える機能が追加されました。 構文を切り替えるには、Assembly(アセンブリ)ビューウィンドウで Options(オプション)に移動し、ビューを更新して変更を適用します。

詳細

デバッガー

Run to Cursor(カーソル位置まで実行)

Run to Cursor(カーソル位置まで実行)

CLion 2023.3 の新しい UI には、デバッグ中に特定のコード行まで素早く移動するための Run to Cursor(カーソル位置まで実行)インレイオプションが新たに導入されています。 プログラムが一時停止したら、プログラムの実行を終了させたいコード行にマウスポインターを合わせて Run to Cursor(カーソル位置まで実行)ポップアップをクリックし、ポップアップでクリックした行に到達するまでコードを実行させることができます。

組み込み開発

ハードウェアを微調整できるようにするため、CLion はデバイスツリーファイルをサポートしています。 拡張子が .dts.dtsi のファイルは IDE でデバイスツリーファイルとして処理され、デバイスツリーではこれらのファイルに対応したコーディング支援オプションが提供されています。 詳細は、オンラインドキュメントをご覧ください。

デバイスツリーファイルの読み取り

既存のデバイスツリーファイルを読み取りやすくするため、CLion は以下の機能を提供しています。

  • デバイスツリーファイルの構文ハイライト
  • デバイスツリーファイルのコード整形
  • デバイスツリーの要素にマウスポインターを合わせた際のコードドキュメント表示
  • デバイスツリーファイルの Structure(構造)ビューとコードの参照

デバイスツリーファイルの作成

デバイスツリーファイルへの書き込みをより効果的に行えるよう、CLion は以下をサポートしています。

  • 標準ノード、/<commands>/、およびラベルのコード補完
  • 入力中のラベルとノード名の検証
  • ツリー内の要素の順序が定義されている場合の順序検証
  • /bits/ オプションで定義された配列サイズのチェック

静的解析

Function summaries

CLion 2023.3 の新しい「Function summaries」手法によって任意のネストした呼び出しチェーンの異なる関数コンテキストを区別できるようになったため、より正確なデータフロー解析を実行できるようになりました。

フィールド解析

フィールド解析

DFA の既存のインスペクションでフィールドも考慮されるようになりました。また、すべてのフィールドが初期化されてないことを警告する新しいインスペクションも用意されています。

メモリリーク解析

メモリリーク解析

新たにメモリリーク解析が実装されました。 これにより、メモリが割り当てられていても、解放されないままアクセス不可能になっているケースを簡単に検出できるようになっています。

QML

QML

CLion はプロジェクトの QML タイプの検出と解析を行い、そのタイプに基づくコーディング支援を提供します。 しかし、ライブラリの QML タイプやユーザーのプラグインのタイプは往々にして別々の場所にあります。 この問題を解決するため、Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Languages & Frameworks(言語とフレームワーク)| QML に新しい Extra QML imports(追加の QML インポート)設定を導入し、IDE が指定の場所で QML インポートを検索してユーザーコードからタイプを解析できるようにしました。

File templates(ファイルテンプレート)

File templates(ファイルテンプレート)

CLion の New Project(新規プロジェクト)ウィザードで新しいプロジェクトを作成する際、main.cpp ファイルまたは main.c ファイルが自動的に生成されます。 ただし、これらのファイルにカスタムテンプレートを使用したい場合もあるかと思います。 CLion 2023.3 では、Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Editor(エディター)| File and Code Templates(ファイルとコードのテンプレート)| Other(その他)でそのようなテンプレートを編集できるようになりました。

IDE Features Trainer

IDE Features Trainer は IDE の基本機能を説明する一連の対話式チュートリアルです。 「ようこそ」画面から、または Help(ヘルプ)| Learn IDE Features(IDE 機能の学習)から起動できます。 詳細は、オンラインドキュメントをご覧ください。

簡単にオンボード

トレーニングは CLion と主なユーザー操作(ビューとパネルの操作、エディターでファイルを開く、プログラムの起動、シンボルの自動補完、クイックフィックスの適用、シンボルの検索)に慣れることを目的としたオンボーディングツアーから始まります。

IDE のコア機能を学習

基本を学習し終えたら、コード編集、リファクタリング、コード補完、および Git セクションに進むことができます。 リスト内のレッスンを好みの順序で進められるため、最も興味のあるトピックにだけ専念できます。

ユーザーエクスペリエンス

メインツールバーを非表示にする

メインツールバーを非表示にする

IDE の表示をよりコンパクトにしたい場合、デフォルトの表示モードでメインツールバーを非表示にする新しいオプションを使用できます。 View(表示)| Appearance(外観)に移動し、Toolbar(ツールバー)オプションをオフにすると非表示になります。

ファイルタブの色分け

エディター内でさまざまなファイルタイプを同時に扱う際の操作性を改善するため、エディターのタブをデフォルトで色分けし、Project(プロジェクト)ツールウィンドウにその外観を反映させるようにしました。

ショートカットによる Speed Search(スピード検索)

ショートカットによる Speed Search(スピード検索)

ツールウィンドウとダイアログ内を素早く移動できるようにする Speed Search(スピード検索)機能がショートカットで利用できるようになりました。 ツリーまたはリストにフォーカスがある場合、Ctrl+F を押してツールウィンドウの Options(オプション)メニューから簡単に検索を呼び出せます。または単にクエリを入力し始めても同じ動作を得られます。

デフォルトのツールウィンドウレイアウト

デフォルトのツールウィンドウレイアウト

CLion のカスタムツールウィンドウレイアウトをデフォルトのレイアウトに素早く戻したい場合、Window(ウィンドウ)| Layouts(レイアウト)| Default(デフォルト) を使用してワークスペースの外観をデフォルトの状態に戻せるようになりました。

その他の機能強化

Tests(テスト)スコープ

テストのインデックス作成段階にかかる時間を減らすため、CLion に指定ディレクトリ内でテストを探すように手動で指示できるようになりました。 これを行うには、Tests(テスト)スコープを作成します。すると、テストのインデックスを作成する際にこのスコープで絞り込まれたファイルのみのインデックスが作成されます。

Tests(テスト)スコープを使って Project(プロジェクト)ビューを絞り込むと、プロジェクトのテストファイルに素早くアクセスできます。 詳細はこちらを参照してください

Dev Container のサポートの改善

CLion 2023.3 では Dev Container のサポートを大幅に拡張しました。 Dev Container Features を使用して追加の開発ツール、ランタイム、ライブラリを簡単に追加できるようになり、基本コンポーネントのセットアップが単純化されました。 自動ポートフォワーディングも実装されたため、Dev Container でアプリケーションがリッスンし始めるポートがシームレスに転送されるようになりました。 詳細については、こちらをご覧ください。

オールインワンの差分ビューアー

CLion 2023.3 では変更のレビュー方法を一新しています。 ファイルを 1 つずつ調査するのではなく、変更セットに含まれるすべての変更済みファイルを 1 つのスクロール可能なフレームで確認できるようになっています。 この新しい差分ビューアーは GitLab、GitHub、JetBrains Space のレビューに対応しています。

GitLab スニペットのサポート

CLion 2023.2 リリースで導入された GitLab 統合を拡張し、GitLab スニペットのサポートを追加しました。 IDE 内で公開または非公開のスニペットを直接作成できるようになっています。

CLion 2023.2 の新機能

CLion 2023.2 は PlatformIO の統合の改良、vcpkg のサポート改善、基本的な IDE ユーザーワークフローの一部に必然的に組み込まれた AI Assistant 機能、および低レベル、リモート、および組み込みデバッグのエクスペリエンスの改善を提供します。

主な更新内容

AI Assistant

AI Assistant 限定アクセス

CLion 2023.2 では AI Assistant 機能が導入され、一部の基本的な IDE ユーザーワークフローに自然に組み込まれています。 この機能により、C と C++ で選択されたコードの説明、そのコード箇所に対するより適切なリファクタリング方法の提案、または潜在的な問題の検出が行われます。 コミットメッセージの生成と CMake エラーの説明にも対応しています。

詳細情報

デバッガーの更新

デバッガーの更新

CLion 2023.2 では現在のフレームのレジスターを検査する機能が導入され、低レベルのデバッグがより簡単になりました。 逆アセンブリビューではレジスターを直接インラインで確認できます。 Attach to Process(プロセスに接続)ダイアログの大幅な更新により、リモートおよび WSL プロセスへの接続が可能になっています。

詳細情報

PlatformIO の統合

PlatformIO の統合

PlatformIO is an open-source platform that helps embedded developers with their projects. CLion 2023.2 はこのプラットフォームとネイティブに統合されています。 IDE が platformio.ini ファイルを直接処理し、その変更を追跡して随時プロジェクト情報を更新します。

詳細情報

vcpkg の統合

vcpkg の統合

vcpkg is one of the most widely adopted package managers in C++. vcpkg の操作にはクラシックモードとマニフェストモードの 2 種類があります。 CLion 2023.2 ではこの両方がサポートされています。 CLion の UI ではこれらのモードを明確に区別し、専用のボタンを使ってマニフェストモードに簡単に切り替えることができます。

詳細情報

AI Assistant
限定アクセス

IntelliJ ベース IDE と .NET ツールの新バージョンである 2023.2 には、重要な新機能である AI Assistant が搭載されています。 AI Assistant は開発の早期段階にある機能ではありますが、基本的な IDE のユーザーワークフローに組み込み、コードを理解する大規模な AI 機能を統合するという私たちのアプローチを試すことができます。 詳細については、ウェブヘルプをご覧ください。

AI Assistant は現時点では JetBrains IDE の安定版リリースにバンドルされていませんが、個別のプラグインとしてインストールできます。 当面の間、AI Assistant 機能を利用するには順番待ちリストに登録する必要があります。

AI Assistant のチャット機能

AI Assistant のチャット機能

AI Assistant はプログラミングのトピックを専門としており、プロジェクト固有の場面で役に立ちます。 新しい専用のツールウィンドウで繰り返し作業を行い、満足のいく結果を得られたら、Insert Snippet at Caret(キャレット位置にスニペットを挿入)を使用して AI が生成したコードをエディターに配置するか、手動でコピーできます。

AI Actions...(AI アクション...)メニュー

AI Actions...(AI アクション...)メニュー

エディター内の特定コード箇所を選択し、AI Actions...(AI アクション...)コンテキストメニューからアクションを呼び出せます。

AI Assistant は以下について支援が可能です。

  • 選択されたコード箇所で潜在的な問題を検出する。
  • その箇所を適切にリファクタリングする方法を提案する。
  • 選択されたコードを説明する。
  • 選択されたコードについて新しい AI チャットを開始する。
コミットメッセージの生成

コミットメッセージの生成

AI Assistant に変更内容の説明を手助けしてもらいましょう。 コミットメッセージダイアログで Generate Commit Message with AI Assistant(AI Assistant でコミットメッセージを生成)ボタンをクリックすると、変更の差分が LLM に送信され、変更内容を説明するコミットメッセージが生成されます。

CMake エラーの説明

CMake エラーの説明

プロジェクトで CMake の実行に失敗した場合、CMake ツールウィンドウの Explain with AI(AI で説明)をクリックすると、失敗した内容とその修正方法について詳しく確認できます。

デバッガー

Attach to Process(プロセスに接続)ダイアログ

Attach to Process(プロセスに接続)ダイアログを使用すると、ローカルかリモートかを問わず、CLion の外部で起動されたプロセスをデバッグできるだけでなく、IDE のデバッガー統合機能を利用することもできます。

バージョン 2023.2 以降では以下について可能です。

  • ローカル、リモート、および WSL プロセスに接続する。
  • ツールチェーンで構成されている任意のデバッガーを選択する。
  • 管理権限を利用してリモートで起動されたプロセスに接続する。
デバッグでのレジスター

デバッグでのレジスター

現在のフレームのレジスターを検査する機能を使用できる場合、低レベルのデバッグをより簡単に行えるようになりました。 CLion がデバッガーツールウィンドウの Variables(変数)タブにレジスター値を表示するようになりました。

ARM アセンブリ

ARM アセンブリ

CLion が ARM アセンブリ言語のサポートを開始し、ARM アセンブラーのコードハイライトを逆アセンブリビューで確認できるようになりました。

デバッグでのアセンブリレジスター

デバッグでのアセンブリレジスター

逆アセンブリコードをデバッグする際、CLion の逆アセンブリビューでレジスター値をインライン表示できるようになりました。

デバッガー関連のその他の改善

  • CLion に LLDB v16 と GDB v13.1 をバンドルするようにしました。
  • Memory View(メモリビュー)でオンザフライ編集がサポートされ、編集直後の値を表示できるようになりました。
  • リモートツールチェーンの外部ライブラリのデバッグを改善するため、CLion がそのようなライブラリに設定されているブレークポイントを正しく処理し、欠落しているファイルをオンデマンドでダウンロードできるようにしました。

組み込み開発

PlatformIO とのネイティブ統合

PlatformIO とのネイティブ統合

PlatformIO is an open-source platform that helps embedded developers with their projects. CLion 2023.2 では介在する CMake のレベルが PlatformIO との統合から削除されました。 IDE が platformio.ini ファイルを直接処理し、その変更を追跡して随時プロジェクト情報を更新するようになっています。

PlatformIO プラグインのインストール方法と、プラグインを使用した新しいプロジェクトの作成方法や既存プロジェクトの開き方については、ウェブヘルプをご覧ください。

PlatformIO のアクションとツールウィンドウ

PlatformIO のアクションとツールウィンドウ

一部の pio コマンドを IDE(Tools(ツール)| PlatformIO)から直接呼び出せるようになりました。ターミナルへの切り替えは不要です。 このコマンドには、プロジェクトの再読み込み、プロジェクトでの静的コード解析の実行、デバイスモニターの起動などが含まれます。

PlatformIO ツールウィンドウでは、最もよく使用されるコマンドとプロジェクトのアクションに素早くアクセスできます。

その他の改善:

CLion が Segger J-Link GDB サーバーで正しくデバッグできるよう、通常の SIGINT および SIGSTOP シグナルに加えて SIGTRAP も処理できるようにしました。

vcpkg

プロジェクトの依存関係と外部ライブラリを管理できるよう、CLion には C/C++ 用のパッケージマネージャーである vcpkg が統合されています。 バージョン 2023.2 ではこの統合に大幅な更新が加えられており、サポートされるシナリオの数が増えています。

マニフェストモード

マニフェストモード

vcpkg の操作にはクラシックモードとマニフェストモードの 2 種類があります。 CLion UI ではこれらのモードを明確に区別し、専用のボタンを使ってマニフェストモードに簡単に切り替えられるようになりました。

Console(コンソール)タブ

Console(コンソール)タブ

vcpkg のクラシックモードの利便性を高めるため、vcpkg ツールウィンドウにすべてのコマンドと出力を表示する Console(コンソール)タブが追加されました。

CMake

新しいファイルをプロジェクトに追加する際の CMake ターゲットの作成

新しいファイルをプロジェクトに追加する際の CMake ターゲットの作成

CLion 2023.2 では、新しいファイルを追加できる CMake ターゲットがない場合に使用する新しい C/C++ ファイルの作成ダイアログが改善されています。 新しい Add new target...(新しいターゲットの追加...)アクションは、新しいターゲットを作成し、それを選択した CMakeLists.txt ファイルに追加します。 ターゲットを追加したら、新しいファイルをそれに追加できます。

CMake 3.25 と 3.26 のサポート

CMake 3.25 と 3.26 のサポート

CLion 2023.2 では、CMake 3.25 の新しいパラメーターと、リクエストされた範囲のコマンドグループの実行に使用される新しいブロックコマンドに対応したハイライトと補完機能が追加されています。 CLion で新しいコマンドのハイライト、整形、折りたたみ、および文書化が正しく行われるようになっています。

CLion 2023.2 には CMake 3.26 がバンドルされています。

CMake の Parameter Info(パラメーター情報)

CMake の Parameter Info(パラメーター情報)

Parameter Info(パラメーター情報)ポップアップではユーザーが入力中にシグネチャーの variant が表示されますが、この機能が CMake コマンドにも対応しました。 複数の variant を持つコマンドなどで次に入力すべきパラメーターを知るのに役立ちます。

WSL の Docker

WSL の Docker

プロジェクトに Linux ベース環境の Docker ファイルが含まれており、その中で Windows マシンからアプリケーションを開発する場合、CLion で WSL と Docker を使ってそれをセットアップできます。

出力コンソールのターミナル

WSL の Docker

出力コンソールのターミナルエミュレーションを構成ごとに有効化または無効化できるようになりました。 デフォルトでは無効になっており、それを制御する設定が Advanced Settings(高度な設定)セクションから Run Configuration(実行構成)セクションに移動されています。

Windows では、通常の権限と管理者権限のどちらでも MSVC LLDB ベースのデバッグで動作するようになりました。

ユーザーエクスペリエンス

ライトヘッダーを使ったライトテーマを導入

ライトヘッダーを使ったライトテーマを導入

バージョン 2023.2 では代替の Light with Light Header(ライトヘッダーを使ったライト)オプションが導入されたため、ユーザーエクスペリエンスが向上しています。このテーマではウィンドウのヘッダー、ツールチップ、および通知バルーンで対応する明るい色が使用されます。

実行構成のピン留め

実行構成のピン留め

複数の実行構成を管理しやすくするため、Run(実行)ウィジェットにお好みの構成をピン留めできるオプションを実装しました。

macOS のウィンドウコントロールを更新

macOS のウィンドウコントロールを更新

新しい UI を使って macOS の全画面表示モードで作業する場合、以前のようなフローティングバーではなくメインツールバーにウィンドウコントロールが直接表示されるようになりました。

Linux でタイトルバーを削除

Linux でタイトルバーを削除

Linux ユーザーの利便性を考慮し、オペレーティングシステムのネイティブヘッダーが新しい UI から削除されました。その結果、よりすっきりとしたインターフェースになっています。 デフォルトではカスタムの IDE ヘッダーが表示されるようになっていますが、ユーザーのワークスペースに合わせてカスタマイズできるオプションが豊富に提供されています。

色付きのプロジェクトヘッダー

色付きのプロジェクトヘッダー

CLion では開いている複数のプロジェクト間を簡単に移動できるように色付きのヘッダーが導入されています。 プロジェクトごとに固有の色とアイコンを割り当てられるようになっているため、ワークスペース内のプロジェクトがより区別しやすくなりました。

メインツールバーのカスタマイズ

メインツールバーのカスタマイズ

新しい UI のメインツールバーのカスタマイズオプションを拡張しました。 ドロップダウンメニューを使用して必要なアクションを素早く選択し、このツールバーに追加できるようになっています。 これを行うには任意のウィジェットで右クリックして Add to Main Toolbar(メインツールバーに追加)を選択し、使用できるオプションを参照します。

Search Everywhere(どこでも検索)のテキスト検索

Search Everywhere(どこでも検索)は主にファイル、クラス、メソッド、アクション、および設定の検索に使用されます。 このアップデートでは、Find in Files(複数ファイル内検索)と同様のテキスト検索機能が追加されています。

その他の機能強化

  • CLion とその他 IntelliJ ベース IDE のバージョン 2023.2 では GitLab との初期統合が導入され、IDE から直接 Merge Request(マージリクエスト)機能を使用できるようになったため、開発ワークフローを合理化できます。
  • Windows では、CLion が ARM 以外のマシンに x86 Visual Studio ツールチェーンアーキテクチャではなく amd64 をデフォルトで使用するようになりました。