PhpStorm 2025.2 の新機能

このバージョンのハイライトは以下の通りです。

  • コーディングエージェント「Junie」と JetBrains AI Assistant に対する大規模な更新
  • PhpStorm のリモート開発機能がベータ版から正式版へ移行完了
  • PHP ライブラリの Include Path(インクルードパス)リストの改良
  • PHPUnit 12 のサポート

コーディングエージェント「Junie」

MCP のサポート

MCP のサポート

Model Context Protocol(MCP)をサポートすることで、Junie をデータベース、ファイルシステム、API などの外部ソースに接続できるようにしました。

IDE の設定(Tools(ツール)| Junie | MCP Settings(MCP 設定))で MCP サーバーの構成を全体またはプロジェクトレベルで追加・編集できるようになっています。

WSL 2 のサポート

WSL 2 のサポート

WSL 2 ファイルシステム(\\wsl$\... または \\wsl.localhost\..)配下にあり、PhpStorm から直接開かれたプロジェクトで Junie が動作するようになりました。

30% の速度向上

Junie は単純なタスクを実行できますが、その真価を発揮するのは比較的複雑なタスクが割り当てられた場合です。そのプロンプトの処理速度が最大 30% 向上しました。

Junie を使用したリモート開発

リモート開発をサポートすることで、IDE のバックエンドがリモートホストで稼働している場合でも Junie プラグインを使用できるようになりました。

Junie を試す

AI Assistant

JetBrains AI Assistant にも大規模な更新が導入されました。 オンライン・オフライン両方の作業環境で AI Assistant の性能と柔軟性がさらに向上しました。また、これまで通り無料で使用することができます。 新機能は以下の通りです。

  • すべてのサポート対象言語で使用できるよりスマートな補完機能。SQL、YAML、JSON、Markdown などをサポートするようになっています。
  • チームのコーディング規則やビジネスロジックに準拠するように AI に指示するためのオプションを提供するプロジェクトルール。
  • JetBrains AI Assistant で Anthropic および OpenAI モデルを使用する際、チャットに画像を添付できるようになりました。

PHP

PhpStorm のリモート開発機能がベータ版から正式版へ移行完了

PhpStorm のリモート開発機能はバージョン 2025.2 でベータベータ版から正式版へ移行完了しました。これにより、リモートでホストされている PhpStorm プロジェクトをソースコードがローカルにある場合と同じように扱えるようになりつつあります。 以下の品質改善に伴い、ベータ版の指定が外されました。

  • リモート編集
  • ターミナル、VCS ウィジェット、Search Everywhere(どこでも検索)、Find in Files(ファイル内検索)などのツールのウィンドウとダイアログ
  • JetBrains Toolbox App を介した Windows ホストマシンのサポート
PHP Include Path(インクルードパス)の改良

PHP の Include Path(インクルードパス)ダイアログの改良

PhpStorm 2025.2 では移動操作や検索を改善することで Include Path(インクルードパス)設定ダイアログを再構築し、PHP ライブラリフォルダーをインデックス作成から除外しやすくしています。

Include Path(インクルードパス)のリストがデフォルトで親ディレクトリのみを表示するようになりました。そのため、特定の子ディレクトリをインデックス作成の対象から除外するには、リスト内で親ディレクトリを選択し、ツールバーの Exclude Under This Path(このパス配下を除外する)アイコンをクリックする必要があります。

PHPUnit 12 のサポート

PHPUnit 12 のサポート

PhpStorm 2025.2 は、PHPUnit 12 で導入された変更と非推奨項目をすべてサポートしています。 IDE の警告とインスペクションによって、プロジェクトを最新バージョンのテストフレームワークに円滑にアップグレードできます。

その他の改善点

  • class-string<T> の型推論で、必要な推論される型が正しく表示されるようになりました。
  • PhpStorm 2025.2 では、参照を認識するネストした引数の名前の変更を可能にすることで、.env ファイルのサポートをさらに強化しました。
  • JavaScript、CSS、HTML などの静的コンテンツ用に常時稼働している PhoStorm 組み込みのウェブサーバーの構成オプションを IDE 設定の Tools(ツール)| Web Browsers and Preview(ウェブブラウザーとプレビュー)に移動しました。

JavaScript と TypeScript

実験的な TypeScript-Go 言語サーバーのサポート

実験的な TypeScript-Go 言語サーバーのサポート

PhpStorm 2025.2 では新しい TypeScript-Go 言語サーバーの実験的サポートが導入され、TypeScript 開発にパフォーマンス改善とモダンなアーキテクチャがもたらされました。

typescript の代わりに @typescript/native-preview パッケージを依存関係としてインストールすると、このサポートをプロジェクトで有効にできます。

Baseline のサポート

Baseline のサポート

PhpStorm 2025.2 では、Web Platform Baseline の情報がクイックドキュメント内に直接表示されるようになりました。

ウェブプラットフォーム API にマウスポインターを合わせると、特定の機能が主要ブラウザーで確実に使用できるようになった時期を web.dev の Baseline データに基づいて知ることができます。

Bun 関連の改善

Bun 関連の改善

PhpStorm 2025.2 では、Bun をよりスマートに統合できるようになりました。 プロジェクト内に bun.lockb または bun.lock ファイルが存在する場合、PhpStorm が自動的に Bun を検出し、それをパッケージマネージャーとして設定します。

bun install の実行、package.json 用コンテキストメニューオプションの使用、依存関係の提案の解決など、すべての関連アクションがデフォルトで Bun を使用します。

ユーザーエクスペリエンス

Parameter Info(パラメーター情報)ポップアップの改善

Parameter Info(パラメーター情報)ポップアップの改善

PhpStorm 2025.2 では、Parameter Info(パラメーター情報)ポップアップの可読性と操作性を向上させるための改善がいくつか導入されました。

データベース

AI チャットにデータベースオブジェクトをアタッチする機能

AI チャットにデータベースオブジェクトをアタッチする機能

AI Assistant のチャットに提供するデータベースのコンテキストをより明確に指定できるようになりました。 従来はスキーマ全体のみをアタッチ可能でしたが、 テーブルやビューなど、操作する必要のあるデータベースオブジェクトをアタッチできるようになりました。

データベースオブジェクトをアタッチするには、入力フィールドに @ または # と入力し、dbObject: を選択するか入力した後、アタッチするオブジェクトをリストから選択します。

WSL のデータベースファイルパス

WSL のデータベースファイルパス SQLite

PhpStorm が SQLite データベースファイルの WSL のファイルパスをサポートするようになりました。

その結果、データベースファイルがロックされることなく WSL 内の SQLite データベースにアクセスし、作業できるようになりました。 これを行うには、Data Sources and Drivers(データソースおよびドライバー) ダイアログに移動し、\\wsl$<os>\home\<username>\<database_file_name>.sqlite のファイルパス形式を使用します。 たとえば、\\wsl.localhost\Ubuntu-24.04\home\alexey\identifier.sqlite のようにします。