全ユーザーに共通の PyCharm、無料の AI ティア、Junie のパブリックリリース、Cadence の提供開始、PyCharm の Jupyter 関連の機能強化、Hatch のサポート、および Data Wrangler の実装を含む新しいリリースです。
PyCharm が 1 つに統合された強力な製品になりました! Jupyter Notebook のサポートを含む基本機能が無料化され、追加機能は Pro サブスクリプションで提供されるようになります。 2025.1 リリースからはすべてのユーザーに 1 か月間無料の Pro 体験期間が提供され、PyCharm のすべての高度な機能をすぐに使用することができるようになります。 体験期間が終了した後は、Pro サブスクリプションを継続するか、基本機能を無料で使用し続けることができます。 この変更についての詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
PyCharm で JetBrains のコーディングエージェントである Junie を JetBrains AI を通じて使用できるようになりました。 Junie はコードの計画、作成、改良、テストを自律的に行い、開発体験をスムーズで効率的かつ快適なものにします。 コードの再構築、テストの作成、改良の実装といった面倒な作業を処理してくれるため、より大きな課題やイノベーションに集中できます。
JetBrains AI に大規模な更新が適用され、AI Assistant と Junie の両方が 1 つのサブスクリプションにまとめられました。 このリリースにより、PyCharm Pro ですべての JetBrains AI 機能を無料で使用できるようになりました。一部の機能(コード補完やローカルモデルサポートなど)は無制限に使用できますが、それ以外の機能は制限付きでクレジットベースでアクセスできます。 また、新しいサブスクリプションシステムを導入し、AI Pro および AI Ultimate ティアで必要に応じてスケールアップを簡単に行えるようにしました。
PyCharm からすぐに機械学習コードを強力なクラウドハードウェアで直接実行できるようになりました。複雑なセットアップやクラウドの専門知識は必要ありません。 Cadence プラグインによって ML ワークフローが単純化されるため、開発者はスケーラブルなコンピューティングリソースを活用しながらコードに集中することができます。
Python を扱うデータ専門家がデータ操作を効率化し、より高度な解析に集中できるようにするための強力なツール、Data Wrangler を実装しました。 データを表示して解析し、列統計と可視化データを調査し、変換の Python コードを自動的に生成できます。
対話型 UI を使用し、フィルタリング、データクリーニング、外れ値の処理といった一般的な DataFrame 変換を実行できます。同じコードを何度も書く必要はありません。 また、変更履歴を追跡したり、便利な形式でデータをエクスポートしたり、変換を新しいセルとしてノートブックに挿入したりすることも可能です。
PyCharm 2025.1 では SQL セルが導入されています。 この新しいセルタイプを使用すると、データベース、DataFrame、および添付された CSV ファイルを Jupyter ノートブック内でクエリし、クエリの結果を自動的に pandas DataFrame に保存することができます。
Python Packaging Authority(PyPA)のモダンで拡張可能な Python プロジェクトマネージャー、Hatch のサポートを導入しました。 Hatch は自動的に setuptools
の構成を移行して隔離環境を作成し、ビルドの実行と公開を行うため、Python パッケージをより効率よく管理できるようになります。
PyCharm では、Hatch が管理する新規プロジェクトも作成できます。 Hatch プロジェクトがローカルマシンかリモートソースからインポートされると、IDE はそれを自動的に認識します。
弊社は開発者が Jupyter ノートブックを扱う際の全体的な使い勝手を継続的に改善しています。 このリリースでは、以下の機能を導入しました。
Jupyter サーバー構成の設定をより単純で分かりやすくしました。 複数のマネージドまたはリモートサーバーの構成を追加し、それらを簡単に切り替えられるようになりました。
その他、以下のような改善点があります。
バージョン 2025.1 では、Python に埋め込まれた SQL コードを指定したコードスタイルに従って整形できるようになりました。 これにより、Python スクリプト内で SQL を使用する際の整合性と可読性が確保されます。
Data View(データビュー)ツールウィンドウで既存のタブの横にある + ボタンを使用し、新しいタブを素早く作成できるようになりました。 追加のタブを作成しておくと、変数名か式を入力するだけで NumPy 配列、pandas DataFrame、その他のデータ型を評価できる便利な場所として使用できます。
画像を操作するアプリケーションをデバッグする際に View as Image(画像として表示)アクションを使用すると、特にコードを追加しなくてもデバッガー内で画像を表示することができます。 このアクションは NumPy 配列に加えて、PyTorch、TensorFlow、Matplotlib、Seaborn、OpenCV、Pillow、ImageIO、および scikit-image ライブラリで機能します。 これを使用するには、デバッグモードでデータ変数を右クリックし、View as Image(画像として表示)を選択します。
弊社はイントロスペクションのパフォーマンスを向上させる取り組みを継続的に行っています。 バージョン 2025.1 から MySQL と MariaDB に対して異なるイントロスペクションレベルを設けることで、データベースのサイズに応じてロードされるメタデータの量が自動的に調整されるようにしました。 言い換えれば、データベースが大きい場合はすべてのメタデータがロードされることはありません。 これにより、イントロスペクションの時間が大幅に短縮され、新しく接続されたデータソースで直ちに作業を開始できるようになります。 レベルと使用感の調整方法に関する詳細は、こちらのページをご覧ください。
このリリースでは、PyCharm の SQLAlchemy との統合を強化し、データベースのオブジェクト型を自動的に認識できるようになりました。 この改善により、データベースの列とクエリの結果を正確に自動補完できるようになったため、ORM ベースのプロジェクトでのエクスペリエンスが大幅に改善されました。
request.user
での型ヒントのサポート AUTH_USER_MODEL
が Django 設定ファイルで指定されている場合、PyCharm がそれに基づいて request.user
の正しい型ヒントを自動的に適用するようになりました。これにより、カスタムユーザーモデルのコード補完と型チェックが改善されました。
Django Ninja フレームワークを使用する Django プロジェクトでエンドポイントを宣言するオプションを導入しました。 これにより、PyCharm のエンドポイント検出がベストプラクティスに沿って拡張され、バックエンドとフルスタック開発者が PyCharm の Endpoints(エンドポイント)ツールウィンドウを通じて直接エンドポイントを管理できるようになりました。
チャットでの AI モデルの選択肢が拡大されました! 以下のような最新かつ最も高度な言語モデルから選択できるようになったため、AI の使用感を完全に制御できるようになりました。
しかもそれだけではありません! JetBrains は今後も AI モデルの統合に取り組み、最新の AI テクノロジーにアクセスできるようにする所存です。
AI Assistant では、オフラインでローカルモデルを使用するか、クラウドベースの AI 処理を使用するかを柔軟に選択できます。 新しいオフラインモードを使用することで、インターネットに接続せずに AI によるコーディング支援を活用できるようになりました。 Ollama または LM Studio によるローカルモデルをチャット、コード生成、コミットメッセージ、インラインドキュメントなどで使用できます。
複数のファイルをこれまで以上に簡単に編集できるようになりました! AI Assistant がチャット内で複数ファイルの編集をサポートするようになったため、検索拡張生成(RAG)を活用して最も関連性の高いファイルを特定しながら、プロジェクト全体に適用可能な変更を提案できるようになりました。 定型タスクを減らし、1 回の対話で複数ファイルに変更を実装できます。
Jupyter ノートブック内で AI Quick Charts(AI クイックチャート)をクリックすると、テーブルのチャートプレビューが生成されるようになりました。 AI Assistant は DataFrame のメタデータを利用して可視化を提案し、生成されたチャートをテーブルのウィジェットに直接埋め込み、即時にプレビューを表示します。 生成されたチャートをクリックすると、対応するコードがノートブックに挿入されます。
AI が生成したコードを Markdown セルなどの複数のセルに論理的に分割し、より自然にノートブックのワークフローに適合できるようになりました。
.aiignore
ファイルを構成すると、AI Assistant が認識する内容をさらに細かく制御できます。 これにより、JetBrains AI による特定のファイルやフォルダーへのアクセスを阻止し、機密情報の処理を確実に防ぐことができます。
AI Assistant とのチャットウィンドウ内で新しい /web
コマンドを使用することで、直接ウェブからドキュメント、トラブルシューティングのヒント、および最新の技術リソースを取得できるようになりました。 タブを切り替えたり、手動で検索したりする必要はもうありません!
AI チャットからコードスニペットを提案された際、Apply(適用)ボタンを使用して自動的に最適な場所を特定し、新たに生成されたコードを挿入できるようになりました。手動でコピーして貼り付ける必要はもうありません。 この機能により、ワークフローが大幅に合理化されます。
AI Assistant が高度な RAG を使用して最も関連性の高いファイル、メソッド、およびクラスを明確化し、プロジェクト全体をより深く理解できるようになりました。 また、コンテキストに最近アクセスされたファイルも含まれるようになったため、よりワークフローに関連性のある対話が可能になっています。 コンテキストとして送信される添付ファイルの追加や削除も可能になったため、AI のコンテキストを完全に制御することができます。
2025.1 リリースではターミナルのアーキテクチャが改良され、ベータとして提供されています。 ターミナルが安定した標準準拠のコアで動作し、IDE のエディターを使用して UI をレンダリングするようになりました。 この変更により、ローカルかリモートかに関係なくさまざまなプラットフォームで互換性とパフォーマンスを維持しながら、新しい機能を導入できるようになっています。 今後の計画と進捗については、こちらのブログ記事をご覧ください。
PyCharm が IDE 独自の実装ではなく、Windows ネイティブのファイルダイアログをデフォルトで使用するようになりました。 これにより、ファイルを開いたり保存したりする際の動作がより分かりやすくなりました。 以前の動作を希望する場合は、Advanced Settings(高度な設定)| User Interface(ユーザーインターフェース)で元に戻せます。
新しいファイルをより便利に作成できるようになりました。 Project(プロジェクト)ウィンドウのツールバーの + アイコンから直接使用可能なファイルテンプレートを一覧表示するポップアップにアクセスし、検索フィールドで必要なファイル形式を素早く絞り込んで見つけることができます。
プラグインをバックグラウンドで自動更新するように PyCharm を設定できるようになりました。 IDE を次に再起動する際、別途の通知なしで入手可能なアップデートがダウンロードされ、適用されます。 自動更新は、更新ダイアログか File(ファイル)| Settings(設定)| Appearance & Behavior(外観 & 振る舞い)| System Settings(システム設定)| Updates(アップデート)の Enable auto-update(自動更新を有効にする)チェックボックスをオンにすると有効にできます。
PyCharm で Kafka レコードを JSON、CSV、および TSV ファイルに直接エクスポートし、ストリーミングデータの解析と共有をより簡単に行えるようになりました。 この IDE では、トピック、タイムスタンプ、キー、値、パーティション、およびオフセットなどの完全なレコードの情報を幅広く使用されている形式で保存できます。 この更新で Kafka レコードをエクスポートしてデータにアクセスし、活用できるようになったことで、より迅速な問題の診断、データ整合性の検証、高度な解析、およびコラボレーションの合理化が可能になります。 この強化によって解決期間が短縮され、データの透明性が改善されるため、Kafka の使用効率と効果を高めることができます。
HTTP クライアントを使用する際、コードから生成された HTTP リクエストがエディターの右側に分割して開かれるようになりました。これにより、HTTP リクエストのレビューを個別のタブで行う必要がなくなりました。
コミットの詳細を Diff ペインに直接表示できるようになりました。 Diff ダイアログにコミットメッセージ、作成者、日時、および完全なコミットハッシュが表示されるため、ファイルの履歴をより明確に把握し、変更内容をより素早く理解することができます。
インスペクションと整形に加えて、コミット前チェックを実行する任意のツールを起動できるようになりました。 カスタムチェックは Run Configuration(実行構成)ダイアログで実行構成として構成できます。 これにより、潜在的な問題を早期に検出し、コードをコミットする前にプロジェクトの標準を満たしているかどうかを確認することができます。
新しいオプションにより、IDE に Git コミットフックを実行しないように指示できるようになりました。 従来はコミット操作中に Git フックが自動的に実行されていましたが、この動作は場合によっては望ましくない可能性がありました。 この更新により、このようなフックを IDE がスキップするように構成し、コミットプロセスをより細かく制御できるようになりました。
必要なパッケージをインストールせずにコードを実行しようとすると、IDE が Python コンソール、Run(実行)ツールウィンドウ、または Debug(デバッグ)ツールウィンドウからそれらを直接インストールすることを提案するようになりました。これにより、より円滑なワークフローを実現できるようになりました。
mount
のサポート Pro Endpoints(エンドポイント)ツールウィンドウで FastAPI のマウントされたアプリ(Django や Flask アプリなど)がサポートされるようになりました。 マウントされているルートが検出されて Endpoints(エンドポイント)ツールウィンドウに適切なパス接頭辞付きで表示されるため、マルチアプリプロジェクトをより簡単に管理できるようになります。
ParamSpec
incorrectly report missing arguments with default values. asdict
and dataclass
. AUTH_USER_MODEL
. open("file.txt", "r")
should be inferred as TextIOWrapper
instead of TextIO
. admin.site.register
, only from the decorator @admin.register
.