RustRover 2025.2 の新機能

このバージョンでは、リモートおよびオンチップのサポートを含むデバッガーの大幅な強化に加えて、新しいカラースキーム、借用チェッカー支援の改善、Rust 学習リソースの追加などが行われています。
非商用利用の場合は無料となります。 30 日間体験版をご利用可能です。

RustRover goes AI

IDE 組み込みのコーディングエージェント「Junie」が 30% 高速化し、MCP 経由で外部ソースへ接続できるようになりました。また、リモート開発もサポートしています。 AI Assistant はよりスマートな Rust のコード補完とプロジェクトルールが追加され、オフラインの機能が強化されています。

これらの機能はすべて JetBrains AI の無料サブスクリプションで提供されており、Junie、AI チャット、無制限のコード補完、およびローカルワークフローもその対象に含まれています。 クラウドベースの機能にはクレジットベースの制限があります。

デバッガー: リモートターゲット、オンチップデバッグなど

リモートターゲットに対してデバッガーを実行できるようになりました。 gdbserver を起動し、リモートデバッグ構成をセットアップしてください。 それだけでデバッグを開始できます。 GDB と LLDB だけでなく、カスタム GDB 実行可能ファイルもサポートされています。

リモートデバッグ構成を使用することで、OpenOCD を使用した組み込みターゲットのデバッグも可能です。

その他にも以下の新しいデバッガー機能があります。

  • 起動していないプロセスにアタッチする機能
  • 改善されたアセンブリのサポート
  • Parallel Stacks(並行スタック)ビュー
  • 変数シャドーイングのサポート
  • 自己参照型のサポート

また、Windows ディストリビューションには LLDB-19 がバンドルされており、デフォルトで有効化されています。 必要に応じていつでも設定で LLDB-9 に切り替えることが可能です。

新しいカラースキーム

JetBrains は Rust のような込み入った言語に関して、色とフォントスタイルによって重要な構文を強調し、紛らわしい要素を区別しやすくすることで、その理解を助けたいと考えていました。 このバージョンでは、新しいカラースキームを導入することができました! このカラースキームはデフォルトで有効化されていますが、赤緑色覚異常者向けに調整できます。 ぜひお試しいただき、ご感想をお聞かせください!

暗黙のミュータブル借用を追跡するためのインレイヒント

JetBrains は借用チェッカーのエラーを解決する支援を提供したいと考えています。 このような問題は一般的に暗黙のミュータブル借用と再借用が原因であるため、これらを特別なインレイヒントで示すことにしました。 それによって借用部分を特定しやすくなり、トラブルシューティングを行ったり、エラー自体を回避したりするのが楽になるかもしれません。

モジュール作成の単純化

Rust モジュールを素早く追加する方法を追加しました。 親モジュール(ディレクトリまたはファイル)を選択し、Project(プロジェクト)ビューの + メニューを使用するだけで、任意のモジュールを追加できるようになっています。 ポップアップダイアログで新しいモジュールの名前を入力し、ファイルまたはディレクトリを指定します。 すると、RustRover によって必要な定義が追加されます。

一致しない型を比較するための UI の強化

Rust の型は複雑になりがちで、複合型やネストされた型である場合は特に当てはまります。 一致しない型を見つけやすくするため、エラーツールチップでの表現方法を変更しました。 この変更がトラブルシューティングに役立つことを願っています!

Rust は初めてですか?
RustRover にお任せください

RustRover は、Rust を初めて使用する方が学習を始めるのに役立つリソースを提供しています。 評判のよい Rustlings の演習をベースにした JetBrains Academy の Learn Rust コースに加えて、「100 Exercises to Learn Rust」(Mainmatter の Luca Palmieri 氏による同名のコースをベースにしたもの)も公開しました。 JetBrains Academy のどちらのコースでも、プロ開発者の環境を使用して Rust の基礎をハンズオン形式で楽しく学び、コーディングを練習することができます。 ぜひお試しください。すでに経験豊富なラスタシアンの方は、この情報をご友人にお伝えください!

Rust プラグインを CLion 向けに無料化

C/C++ ツールも手元に残しながら Rust でコーディングしたい開発者様に朗報です!Rust プラグインが CLion 向けに無料化されました! しかも、CLion は現在非商用利用向けに無料で提供されています。そのため、これらのスタックの組み合わせを練習する絶好の機会です。

新しい Rename Cargo Package(Cargo パッケージ名の変更)アクション

ユーザーのフィードバックから、RustRover にはパッケージ全体の名前を変更するための専用のアクションが必要であることが分かりました。 そこで、2025.2 では Rename Cargo Package(Cargo パッケージ名の変更)アクションを追加しました。 このアクションは、新しい名前を Cargo.toml と関連する使用箇所に反映させます。 このアクションは現時点ではクレート名が他の Cargo.tomlファイルで参照されていない場合にのみ機能しますが、そのような場合もサポートできるように今後も開発に取り組む予定です。

リモート開発関連の更新

リモート開発に関しては、ローカルで作業する場合と同じ信頼性と一貫性を実現するコーディングエクスペリエンスを提供することを目指しています。 バージョン 2025.2 では、エディターの応答性向上、デバッグの円滑化、プラグイン管理の容易化などの改善を行いました。

また、JetBrains Toolbox では Gateway を介した接続の品質が改善され、リモート開発をさらに円滑に行えるようになっています。