IntelliJ IDEA 2021.2 の新機能

IntelliJ IDEA 2021.2 では Java 向けのプロジェクト全体解析、変更保存時に呼び出し可能な新しいアクション、Maven および Gradle 依存関係管理用の新しい UI が導入されたほか、複数の有益な更新が行われています。 新機能の注目点に関する詳細は、以下の概要動画をご覧いただくか、このページを読み進めてください。

主な更新内容

Java プロジェクト対応のプロジェクト全体解析
Ultimate

このリリースでは、コンパイル前にプロジェクト全体を通してエラーを追跡する新機能であるプロジェクト全体解析を導入しています。 Problems ツールウィンドウにある専用アイコンをクリックすると、コードを変更するたびにチェックが実行されるようになります。 チェック処理が終了すると、IDE が検出したすべてのエラー(プロジェクト全体をスキャンした場合のみ検出されるものも含む)を表示します。

この機能は、小規模および中規模のプロジェクトで動作します。

保存時のアクション実行

コードの整形やインポートの最適化など、プロジェクトを保存する際に呼び出される多数のアクションを追加しました。 これらすべてのアクションは、Preferences / Settings | Tools | Actions on Save に集約されています。 同画面で必要なチェックボックスをオンにするだけで、簡単にアクションを構成できます。 アクションの設定をより細かく調整するには、対象のアクションにマウスを重ねて構成のリンクをクリックしてください。

Maven および Gradle 依存関係管理用の新しい UI

Both IntelliJ IDEA Community Edition and IntelliJ IDEA Ultimate now include Package Search, a powerful new interface to manage your project dependencies. パッケージ検索を使用すると、新しい依存関係を検出し、依存関係の追加や既存依存関係の管理を簡単に行うことができます。 この新しいプラグインは、入手可能なアップデートなど、各依存関係に関する情報を提供します。

また、入手可能なアップデートをエディター内に直接適用できるインスペクションも追加しています。

現時点の Package Search は Maven および Gradle プロジェクトに対応しています。 Scala プラグインの EAP バージョンでは、sbt プロジェクトも実験的にサポートされています。 詳細については、こちらをご覧ください。

エディター

インスペクションとクイックフィックスの説明を更新

インスペクションとクイックフィックスの説明を更新

インスペクションとクイックフィックスはコーディングに役立つだけでなく、詳細に説明されています。 新しくなった説明では、インスペクションが提案する変更内容とその理由が共に記載されています。 一部のインスペクションでは、使用例を示しています。 新しくなった説明を Preferences/Settings | Editor | Inspections でご覧ください。

ダイアグラム構造ビュー

ダイアグラム構造ビュー

ダイアグラムの情報量を増やしました。このリリースでは、ダイアグラムのマップを含み、選択したブロックとその近接ブロックのプレビューの小さなプレビューを備えた Structure ビューが追加されています。 この新しい Structure ビューはスケーリング、キャンバスの移動、虫眼鏡モード、レイアウト変更、画像エクスポートに対応しています。

複数のコピーライト年度

プロジェクトのコピーライト表記でプロジェクトの作成年度と、最新バージョンの年度を併記できるようになりました。 両方の日付を含む最新のテンプレートは、Preferences/Settings | Editor | Copyright | Copyright profile にあります。

Markdown サポートの改善

IntelliJ IDEA 2021.2 では、Markdown のサポートに関して有益な更新が行われています。 .md ファイルをさまざまな形式(.html, .docx, .pdf)に変換、もしくはそれらの形式から逆に変換できます。 また、リストの書式設定で発生していた問題も解決し、Enter、(ShiftTab、およびReformat アクションはすべて正しく機能します。 画像サイズの変更や説明の追加に対応しているほか、ファイルパスを含む HTML タグを書くことなく画像をドラッグアンドドロップで挿入できます。 さらに、最も使用頻度の高いアクションを含む新しい軽量なツールバーが追加されています。このツールバーは、重要なタスクに集中するのを妨げないようにするため、選択時にのみ表示されます。

ユーザーエクスペリエンス

Eclipse プロジェクトにすばやくアクセス

Eclipse プロジェクトにすばやくアクセス

IntelliJ IDEA ではマシン上にローカル保管されている Eclipse プロジェクトを検出し、ウェルカム画面から開くことができます。 IDE を初めて起動する場合は、Open existing Eclipse projects オプションを選択してください。 それ以外の場合は、検出された Eclipse プロジェクトが最近使用したプロジェクト内の専用ノードに表示されます。

高度な設定

高度な設定

IntelliJ IDEA であるユースケースに固有のオプションを構成する場合は、Preferences/Settings に追加された新しい Advanced Settings ノードで実施できます。 例えば、Distraction-free モードの左マージンを追加したり、Comment with Line Comment アクションを使用した後にキャレットを下に移動するように設定したりできます。

ドラッグアンドドロップでツールウィンドウを整理

ドラッグアンドドロップでツールウィンドウを整理

ツールウィンドウを主な IDE のウィンドウ内や個別のウィンドウ内でドラッグアンドドロップし、目的の場所へ簡単に移動できるようになりました。 ツールウィンドウ名のバーをクリックして長押しすると、そのツールウィンドウをドラッグしてハイライトされた場所にドロップできます。

キャッシュとログの自動クリーンアップ

キャッシュとログの自動クリーンアップ

IntelliJ IDEA は、最後の更新から 180 日超が経過したキャッシュおよびログのディレクトリを自動的にクリーンアップします。 システムの設定やプラグインのディレクトリがこの処理に影響されることはありません。 この処理は、Help | Delete Leftover IDE Directories から手動で呼び出すことができます。

不足しているプラグインの通知

不足しているプラグインの通知

IDE はプロジェクトで IntelliJ IDEA で動作するフレームワークがプラグイン経由で使用されている場合に通知し、その通知から直接プラグインを有効化するように促します。

Preferences/Settings の新しい遷移オプション

Preferences/Settings に新しいナビゲーションオプションを追加

ウィンドウの右上隅に矢印を追加して、Preferences/Settings 内のナビゲーションを単純化しました。 これにより、開いているセクション間をすばやく行き来できるようになりました。

JetBrains Toolbox App のアップデート通知

JetBrains Toolbox App のアップデート通知

JetBrains Toolbox App に製品のアップデートが追加されると、IDE は通知を表示します。 ダウンロード可能な新バージョンがある場合は、IntelliJ IDEA から直接そのバージョンにアップグレードできます。 この機能を使用するには、JetBrains Toolbox App 1.20.8804 以降が必要です。

Power Save モードにすばやくアクセス

Power Save モードにすばやくアクセス

IntelliJ IDEA には、ノートパソコンのバッテリー消費を抑える Power Save モードが備わっています。 このモードにアクセスしやすくするため、ステータスバーからモードを管理できるようにしました。 ステータスバーを右クリックして Power Save Mode を選択すると、新しいアイコンが IDE の右下隅に表示されます。 同モードをオンオフする場合は、このアイコンをクリックしてください。

アクセシビリティの更新

IntelliJ IDEA 2021.2 には、macOS でスクリーンリーダーモードを有効にした状態でコーディングを行う際に役立つ多数の更新が行われています。 利用可能なコード補完候補、選択したコンボボックスとコンボボックスリストの内容、および Search Everywhere の検索結果の読み上げに対応しました。

UI の応答性改善

私たちは継続的に UI の応答性改善と、予期しないフリーズの削減に取り組んでいます。 このリリースでは、コンテキストメニュー、ポップアップ、およびツールバーを使用する際に UI がフリーズしないようにしました。 また、他の状況でフリーズが発生するのを防ぐため、インデックス作成を要求する特定の操作を UI のスレッドから移動しました。

Java

可視性ベースの色設定

可視性ベースの色設定

Preferences/Settings | Editor | Color SchemeVisibility ノードを展開し、public / protected / private Java メンバーの色設定を構成できるようになったため、これらのメンバーを容易に区別できるようになりました。

新規 JavaFX プロジェクトウィザード

新規 JavaFX プロジェクトウィザード

新規 JavaFX プロジェクトの構成が容易になりました。 わずか 2 ステップで、プロジェクト SDK、言語、必要なビルドシステム、テストフレームワーク、および使用頻度の高い 1 件以上のライブラリを簡単な説明と共に追加できるようになりました。

新しいインスペクション

特殊なデータフロー解析のユースケースに対応する各種の新しいインスペクションを追加しました。 例えば、更新メソッドで浮動小数点範囲やコレクションのサイズを追跡するためのインスペクションがあります。 新しい Write-only object インスペクションは、プロジェクトおよび標準ライブラリで定義されている一部のカスタムクラスについて、あるオブジェクトが変更されているにもかかわらず、一度も照会されていない場合に警告を表示します。

その他の新しいインスペクションや改良されたインスペクションの詳細は、ブログ記事を参照してください。

Kotlin

機械学習を使った自動補完

機械学習を使った自動補完

バージョン 2021.2 以降では、Kotlin のコード補完に機械学習のメカニズムがデフォルトで使用されるようになっています。 この IDE は多数の実ユーザーが似たような状況で選択した内容を参考にしているため、コード補完候補の優先順位はより慎重に考慮されています。 機械学習を使った補完は、Preferences/Settings | Editor | Code Completion で構成できます。

コード解析完了前のテスト実行

コード解析完了前のテスト実行

従来は、コード解析が完了するのを待たなければテストを実行できませんでした。 最新バージョンでは、ガター内の Run test アイコンをクリックすることで、ファイルを開いた直後にテストを起動できます。

デバッガーの更新

デバッガーの更新

デバッガーのコルーチンエージェントに複数の有益な改善と更新を行いました。 コルーチンエージェントを Debug ツールウィンドウの Coroutines タブから使用できるようになりました。 これは、kotlinx.coroutines に依存する Java 実行構成のほか、Spring および Maven の実行構成で機能します。

また、Debugger ツールウィンドウの Variables ビューで中断ポイントを通過した後にローカル変数が使用されず、消失していた問題も修正しました。

インデックス作成中にアクションを実行可能に

インデックス作成中にアクションを実行可能に

もう時間を無駄にすることはありません。 IDE がプロジェクトのインデックスを作成中もアプリケーションを実行およびデバッグできるようになりました。 Run/Debug Configuration に関連するボタンはインデックス作成中も有効です。

WSL 2 および Run Targets の Kotlin 対応

WSL 2 および Run Targets の Kotlin 対応

IntelliJ IDEA 2021.1 では新たに WSL 2 に対応し、Run Targets 機能を導入しました。 バージョン 2021.2 では、Kotlin でこれらの機能を使用できます。

コレクション型での連鎖呼び出しを単純化するインスペクション

コレクション型での連鎖呼び出しを単純化するインスペクション

このリリースでは、コレクション内でメソッドが連鎖して呼び出されている場合に構文を単純化し、複数の呼び出しを 1 つにまとめる便利なインスペクションを追加しました。

buildString 変換用のインテンションアクション

buildString 変換用のインテンションアクション

従来のバージョンでは、buildString を手動入力してコードをカスタマイズする必要がありました。 新しいインテンションアクションを使用すると、2 回クリックするだけで自動的にこの処理を適用できます。

Scala

Scala 3 サポートの改善

Scala 3 サポートの改善

このリリースでは Scala 3 のサポートに重点を置き、大幅に改善しました。 インデックス作成が高速、正確、かつバージョンに依存しなくなりました。 sbt 、 .idea ベースの Scala 3 および Scala 3 SDK プロジェクトを通常通り作成できるようになりました。 エディターが重要なインデントを適切に処理できるようになりました。 Scala 2 プロジェクトで Scala 3 コンストラクトを使用できるようにしました(-Xsource:3)。 デバッガー、フォーマッター、REPL、自動インポート、列挙型、拡張メソッド、およびその他に関する改善を行っています! (とはいえ、Scala 3 のサポートはまだ開発中であり、不完全ですのでご注意ください)

コンパイラーベースのハイライト

コンパイラーベースのハイライト

従来の IntelliJ プラットフォームと同様、Scala プラグインにはエラーハイライト処理が組み込まれています。 このハイライト処理は高速かつ軽量で、標準的な IntelliJ IDEA の機能に一通り対応しています。 ただし、Scala の型システムは非常に複雑であるため、アルゴリズムによってエラーが誤検出される場合があります。 私たちは継続的に実行の改善に取り組んでいますが、一部のコードベースでは Scala コンパイラーをエラーハイライト処理に利用する機能が役に立つ可能性があります。 ただし、コンパイラーベースの手法はより高精度ではあるものの、より動作が遅く、要求リソースが多いという特徴があります。また、型の比較、クイックフィックス、およびインスペクションのような機能はサポートしていません。 そのため、コード内でエラーが大量に誤検出されない限りは、組み込みのエラーハイライト処理を使用することをお勧めします。

JavaScript

保存時にブラウザー内ページを再読み込み

保存時にブラウザー内ページを再読み込み
Ultimate

IntelliJ IDEA では、組み込みの Web サーバーを使用して HTML ファイルをブラウザー内でプレビューできます。 このリリースでは、HTML / CSS / JavaScript ファイルの編集と保存を行った際に、ブラウザー内のページが自動的に更新されるようになります。 この機能を使用するには、エディターで HTML ファイルを開いてマウスカーソルをその上に移動し、使用したいブラウザーのアイコンをクリックするだけです。すべてのブラウザーがサポートされています。

React の useState フックに対応した Rename リファクタリング

React の useState フックに対応した Rename リファクタリング
Ultimate

useState の値と関数のリファクタリングに無駄な時間をかける必要はもうありません。IntelliJ IDEA でこれら両方の名前を変更できるようになりました! キャレットを状態値に置き、Shift+F6 を押すか、右クリックしてコンテキストメニューから Refactor | Rename を開いてください。

require() の自動インポート

require() の自動インポート
Ultimate

ES6 シンボルを補完する際に IDE が欠落しているインポートステートメントを追加できることはご存じですか? 同じ機能を CommonJS モジュールで使用できるようになりました。require インポートがコード補完時に挿入されます。

プロファイラー

Windows および Apple M1 で Async Profiler を使用可能に

Windows および Apple M1 で Async Profiler を使用可能に
Ultimate

Async Profiler は、その高い精度と信頼性を理由に多くの開発者から選ばれているプロファイリングツールです。 IntelliJ IDEA が Linux と非 M1 搭載の macOS に加えて、Windows と Apple M1 でこのプロファイラーを完全にサポートするようになりました。従って、今後はほとんどの環境で使用できます。

Async Profiler 2.0 のサポート
Ultimate

IntelliJ IDEA は Async Profiler 2.0 をサポートしています。 これは新しい Async Profiler 構成を使用し、CPU および Allocation プロファイラーの能力を組み合わせることで実現しています。 Flame Graph / Call Tree / Method List タブに追加された新しい Show ドロップダウンリストを使用すると、CPU サンプルとメモリ割り当てのどちらを表示するかを選択できます。 タイムラインにはこれら両方が表示されます。 右上隅にあるコントローラーを使用すると、表示対象を絞り込むことができます。

サンバースト図のサポート

サンバースト図のサポート
Ultimate

IntelliJ IDEA 2021.2 では、Classes タブ内の項目をダブルクリックすると、Retained Objects タブに選択した項目のデータがサンバースト図の形式で表示されます。 ツリー表示形式でのデータ解析のほうが慣れている場合は、Dominator Tree タブをご利用ください。

ビルドツール

JLink アーティファクト

JLink アーティファクト

Jigsaw プロジェクトで作業する際に必要なモジュールと依存関係のみを含むカスタム JDK を作成したい場合は、Project structure ウィンドウで新しい JLink アーティファクトをプロジェクトに追加できます。

Gradle 構成の再設計

Gradle 構成の再設計

Gradle Run/Debug Configurations の UI を改修しました。 利便性を考慮し、1 つの画面内で基本的なパラメーターがグループ化されています。 必要に応じてさらにオプションを追加できます。

WSL 2 でのプロジェクトインデックス作成を高速化

WSL 2 に保管されているプロジェクトでは、Linux と Windows 間でファイルの内容をソケット経由で転送するデーモンを使用しています。 これにより、インデックス作成処理を高速化しています。インデックスの作成速度は、IDE がファイルの内容を読み込む速度によって決まるためです。

使用する言語によって、どの程度高速化するかは異なります。 例えば JS に類する言語の場合、インデックス作成時間は 3 分の 1 になります。

WSL 2 での Ant のサポート

WSL 2 内で Ant タスクを実行できます。

バージョン管理

コミット前チェックの変更

バージョン 2021.2 では、使用可能なコミット前アクションを拡充し、テストを実行できるようにしました。 Before Commit セクションで Run Tests チェックボックスをオンにすると、IDE が適用対象の変更内容をテストし、問題がある場合は通知します。

また、Analyze code および Cleanup オプションを横にある Choose profile をクリックしてカスタマイズする機能を追加しました。

すべてのコミット前チェックの進捗と結果は、Commit エリアに表示されます。作業の妨げとなるようなモーダルウィンドウが別に表示されることはありません。

GPG 署名

GPG 署名

IntelliJ IDEA 2021.2 では Git コミットに GPG 署名を付けることで、コミットを保護することができます。 そのためには Preferences/Settings | Version Control | Git に移動し、Configure GPG Key をクリックしてから、ドロップダウンリストから対象のキーを選択してください。 GPG キーを初めて使用する場合は、構成する必要があります。

新規プロジェクトで Default Changelists の代わりにChanges を採用

新規プロジェクトで Default Changelists の代わりにChanges を採用

今回のリリースから、新規プロジェクトで未コミットの変更を保管するノードの名前に Default changelists を使用していません。 バージョン 2021.2 以降は、Changes という名前になっています。 また、Git 操作によって変更リストの作成処理が自動的に呼び出されることはなくなりました。

Show Diff の統一化

Show Diff の統一化

IntelliJ IDEA は Show Diff アクションを呼び出した場所に関係なく、初期状態のファイルと変更後のファイルの差分をデフォルトでエディター内に表示します。 別のウィンドウで変更内容を追跡するほうが都合が良い場合は、目的のファイルをエディターからドラッグしてください。

サンバースト図のサポート

Local History リビジョンのテキスト検索

Local History ダイアログの検索フィールドに検索キーワードを入力すると、Local History のリビジョンから必要なテキストをすばやく検索できます。

ターミナル

ターミナルの新しいオプション

ターミナルの新しいオプション

組み込みのターミナルでカーソルの形状を選択できるようになりました。 また、キーボードの Option)キーをメタ修飾子として機能させ、他のキーと組み合わせて使用できるようにする Use Option as Meta key もサポートしています。 例えば、次のショートカットを使用できます。

  • ⌥+F – 次の単語に移動
  • ⌥+B – 前の単語に移動
  • ⌥+D – 次の単語を削除

デバッガー

デバッガーにプレビュータブを実装

デバッガーにプレビュータブを実装

従来はブレークポイントでの停止、コードのステップ実行、フレーム間の移動、または "prev/next frame" アクションの実行時には IDE がファイルを複数のタブで開いていました。 バージョン 2021.2 では、Settings/Preferences | General | Editor Tabs でデバッガーのプレビュータブ機能を有効にできます。 この機能がオンになっている場合、このようなファイルは 1 つのタブで連続的に開かれます。

フレームワークとテクノロジー

マイクロサービスのダイアグラム

マイクロサービスのダイアグラム
Ultimate

IntelliJ IDEA では、マイクロサービスの連携動作をダイアグラムに表示できます。このダイアグラムでは、Endpoints ツールウィンドウ内の各アイコンをクリックし、ビルドを実行できます。 この新しいダイアグラムでは、特定のサービスを呼び出しているクライアントを追跡し、コード内にあるこのコードの呼び出し位置に移動できるようにしています。 この操作は、ダイアグラム内のブロック同士を接続している矢印をクリックするだけで実行できます。

このダイアグラムは、Spring、Micronaut、Quarkus、または Helidon を使用している場合に Java および Kotlin プロジェクトで使用できます。

Java EE から Jakarta EE への自動移行

Java EE から Jakarta EE への自動移行
Ultimate

新しい Migrate... リファクタリングを使用すると、プロジェクトやモジュールを Java EE から Jakarta EE へすばやく簡単に移行できます。 このリファクタリングを実行すると、Refactoring Preview に Java EE インポートの使用箇所がすべて表示されます。 内容を確認してから処理を完了させることができます。

新規 Spring Boot プロジェクトの共有インデックスを自動ダウンロード

新規 Spring Boot プロジェクトの共有インデックスを自動ダウンロード
Ultimate

新しい Spring Initializer プロジェクトを作成すると、IDE が自動的に共有インデックスをダウンロードします。そのため、インデックス作成時間が削減され、IDE の起動時間が短縮されます。 この機能を有効にするためのチェックボックスは、New Project ウィザードの 2 番目の画面にあります。 ただし、Settings/Preferences | Shared Indexes で Shared Indexes を無効にしている場合は機能しません。

JPA Entity Graph のサポート

JPA Entity Graph のサポート
Ultimate

In this version, we’ve introduced support for an Entity Graph which you can define with the @NamedEntityGraph annotation. IDE では、コード補完、エラー検出、および属性のクリックによる関連エンティティへの移動を駆使して、このアノテーションの一意な名前と属性(@NamedAttributeNode)を指定できます。

Micronaut と Quarkus のキャッシュアノテーションをサポート

Micronaut と Quarkus のキャッシュアノテーションをサポート
Ultimate

Cache annotations for Micronaut and Quarkus are now supported in the IDE. ガターにキャッシュ名の使用箇所間を遷移するためのナビゲーションを追加したほか、キャッシュ識別子に対応した Find UsagesRename リファクタリングを使用できるようにしました。

JavaScript および TypeScript のマイクロサービスナビゲーションのサポートを改善
Ultimate

JavaScript および TypeScript での URL ナビゲーションが大幅に改善されました。 For client-side code (for Angular or Axios), URL references have been added for the $http service and HttpClient request method calls, and URL completion works based on available server-side frameworks and OpenAPI specifications. サーバーサイドの場合、Express ユーザーは Endpoints ツールウィンドウで Route ハンドラーを参照したり、Navigate | URL Mapping 経由で Express ルートの宣言を検索したりできます。

gRPC エンドポイントを Endpoints ツールウィンドウに表示

gRPC エンドポイントを Endpoints ツールウィンドウに表示
Ultimate

このバージョンでは、新たに gRPC フレームワークをサポートしています。 今後、このフレームワークに対応する機能を拡充する予定です。 現時点では、gRPC エンドポイントを Endpoints ツールウィンドウに表示できます。 今後のアップデートをお待ちください!

Ktor 統合

Ktor 統合
Ultimate

Ktor, a web application framework for creating connected systems, is bundled with IntelliJ IDEA Ultimate. ウェルカム画面からサーバーサイドまたはクライアントサイドアプリケーションを開発するための新規 Ktor プロジェクトを作成し、基本的なプロジェクト設定と Ktor がサポートするさまざまな機能を構成できます。

JetBrains が管理する Protocol Buffers プラグイン
Ultimate

IntelliJ IDEA Ultimate に JetBrains のチームが全体的な管理を行う Protocol Buffers プラグインがバンドルされるようになりました。 現在 IntelliJ IDEA Community Edition をご利用中の方も、引き続き Preferences/Settings | Plugins | Marketplace から Protocol Buffers をダウンロードしてインストールできます。

Docker

SSH 経由の Docker 操作

SSH 経由の Docker 操作

Docker に SSH で接続できます。 SSH 接続を構成するには、Preferences / Settings | Build, Execution, Deployment | Docker を開き、On SSH machine ラジオボタンを押してから をクリックします。その後、表示されるウィンドウに SSH 接続パラメーターを入力します。

サービスの同期

サービスの同期

Docker Compose アプリケーションを稼働中でない場合でも Services ツールウィンドウに表示できます。 これは、エディターウィンドウ内の回転矢印アイコンをクリックするだけで実行できます。

サービスの状態を表す新しいアイコン

サービスの状態を表す新しいアイコン

Docker Compose サービスのさまざまな状態を表す新しいアイコンを実装しました。 これらのアイコンに慣れるには、各アイコンにマウスを移動したときに表示されるツールチップを参照してください。

ログに関する改善

Docker Compose のログにいくつかの変更を加えています。 各サービスノードにログがあり、コンテナーのログにはタイムスタンプと以前のセッションを表示するオプションがあります。 これらのオプションは、Preferences/Settings | Build, Execution, Deployment | Docker | ConsoleFold previous sessions in the Log console チェックボックスをオフにすることで無効にできます。

Run/Debug Configurations にオプションを追加

Run/Debug Configurations にオプションを追加

Run/Debug Configurations に Docker Compose に対応した新しいオプションが追加されました。 Modify options をクリックすると、Enable BuildKitEnable compatibility mode、および Specify project name を実行できます。 プロジェクトに自由に名前を付けられるようになりました。また、Docker Compose アプリケーションがあるフォルダーからプロジェクトの名前をデフォルトで継承しなくなりました。

コンテナー対応の新しいアクション

コンテナーを起動、一時停止、一時停止解除、再起動できる新しいボタンが追加され、Docker コンテナーをさらに簡単に管理できるようになりました。 さらに、複数のコンテナーにまとめてアクションを適用できるようになりました!

イメージの高度な削除方法

イメージの高度な削除方法

Docker イメージを依存関係と一緒に削除する際、削除対象の依存関係と残すべき依存関係を指定できます。

新しい Networks および Volumes ノード

新しい Networks および Volumes ノード

Services ツールウィンドウに 2 つの新しいノード(Networks および Volumes)を追加しました。 Networks ノードには、Docker Compose アプリケーションに無関係のすべてのネットワークが含まれています。 The second includes all the Docker Volumes. 上記のセクションにあるように、ボリュームはイメージと同様に簡単に削除できます。

Docker Compose バージョン 3 のサポート

Docker Compose バージョン 3 のサポート

We’ve added support for version 3 of the Docker Compose file format. その結果、IntelliJ IDEA がバージョン 3 で使用できるオプションを正しく検証できるようになり、それらのオプションに対してコード補完が機能するようになりました。

Kubernetes

Helm チャートの依存関係で alias をサポート

Helm チャートの依存関係で alias をサポート
Ultimate

IntelliJ IDEA 2021.2 では、Chart.yaml(api v2)または requirements.yaml(api v1)の dependencies セクションに属する alias フィールドを使用できます。 このフィールドは、現在の依存関係の別名を宣言します。 alias は、既存の依存関係が複数回使用されており、それらの使用箇所を区別したい場合に使用できます。 また、alias はチャート名に GoTemplate 識別子に適さない文字が使用されている場合にそれを修正するのにも役立ちます。

カスタム名前空間

カスタム名前空間
Ultimate

Kubernetes クラスターを扱う際に特定の名前空間へのアクセスが許可されているものの、全クラスター名前空間のリストを取得できない場合があります。 このような場合は、Preferences / Settings | Tools | Kubernetes でアクセス可能な名前空間のリストを指定できます。

お気に入りの名前空間

お気に入りの名前空間
Ultimate

複数の名前空間を簡単に管理し、最も必要性の高いものをすばやく検索できるようにしました。 今回のバージョンでは、お気に入りの名前空間に星を付けられるようになりました。 お気に入りの名前空間はリストの最上部に表示され、その他の名前空間はアルファベット順に表示されます。

データベースツール

DDL データソース

DDL データソース
Ultimate

DDL データソースを実際のデータソースに基づいて生成できるようになりました。 DDL ファイルがディスク上に作成され、新しいデータソースがそれに基づいて生成されます。 これにより、常にこれらのファイルを再生成し、DDL データソースをリフレッシュできるようになります。 こちらのブログ記事で、この機能を適用するための段階的な手順を説明しています。

Services ツールウィンドウのポップアップ動作管理

Services ツールウィンドウのポップアップ動作管理
Ultimate

クエリが何のデータも返さない場合、すでに非表示になっている Services ツールウィンドウを表示する必要はありません。 どの操作で Services ツールウィンドウを表示するかを Preferences / Settings | Tools | Database | General で独自に定義できるようになりました。

フィールドと演算子の補完

フィールドと演算子の補完
Ultimate

MongoDB コンソールで、さまざまな種類のフィールドと演算子に対してコード補完が機能するようになりました。 詳細については、こちらのブログ記事を参照してください。

QA ツール

カスタム名前空間

テストデータの生成

ユニットテストを開発する際は、ランダムなメールアドレス、名前、または電話番号を挿入できることが重要です。 Test Automation Kit に含まれる新しい Test Data プラグインは、ランダムデータの生成に役立つ多数の便利なアクションを提供します。 使用可能なすべてのオプションを表示するには、Generate メニュー(Cmd+N)を使用してください。 特定のフォーマットが必要な場合は、正規表現か Velocity テンプレートに基づく独自のデータフォーマットをいつでも作成できます。 すべての独自データ型は一括モードで使用可能で、チーム内で共有できます。

Space との連携機能

Git ログの Space ジョブステータス

Git ログの Space ジョブステータス

Git ツールウィンドウの Log タブに Space ジョブステータスのアイコンが追加され、コミットの一覧を見るだけでジョブの進捗を簡単に追跡できるようになりました。 アイコンをクリックすると、IDE がポップアップとそのジョブの自動化に関する情報を表示します。

このステータス情報は不要な場合は、log の上にある目のアイコンをクリックし、Show Columns | Space Automation を選択してください。

チームメイトのメンション

チームメイトのメンション

Space のコードレビューで @ に続けてチームメイトの名前を入れてメンションすることで、より便利にチームメイトとやりとりできるようになりました。 この目立たないながらも便利な機能は、タイムラインとコードのコメントで使用できます。

コードレビューに関連するブランチの表示

コードレビューに関連するブランチの表示

IDE で選択したコードレビューに関連するブランチを表示できるようになりました。 現在の課題に取り組んでいる間に実行されたコミットを含むブランチの一覧を Details タブで確認できます。

共同開発

コード補完の同期

コード補完の同期

フォロー中のユーザーが使用しているコード補完候補を確認できるようになり、チームメイトがどのような考えのもとで行動しているのかをより正確に把握できるようになりました。 この機能は、Code With Me セッションが Following モードで使用できます。

アクションを元に戻す

アクションを元に戻す

IntelliJ IDEA 2021.2 では共同プログラミング作業を大幅に改善するため、元に戻す機能が改修されています。 改良後の元に戻すロジックでは、ゲストとホストの両方が自身がコードに加えた変更を取り消すことができます。 したがって、バージョン 2021.2 にアップグレードすると、開発者が他のメンバーによる変更を誤って削除するという厄介な状況を回避できるようになります。 この改良は、ペアプログラミングやモブプログラミングを行う際に特に効果を発揮します。

共同作業セッション中の画面共有

共同作業セッション中の画面共有

待望されていた機能の一つである画面共有がついに実装されました。 バージョン 2021.2 では JetBrains IDE だけでなく、コンピューター画面のアプリケーションウィンドウも共有できるようになったため、共同作業がより効率化されます。

ペアプログラミングの相手へのポート転送

ペアプログラミングの相手へのポート転送

IntelliJ IDEA 2021.2 では、組み込みのプロキシを使用して特定の開いているポートを参加者と共有できる機能を使用できるようになりました! ホストが特定のポートでアプリケーションを実行している場合、ゲストは自分のマシンを使用してローカルホスト経由でそのアプリケーションにアクセスできます。

その他

UI を中国語、日本語、韓国語にローカライズ

本バージョンより、中国語韓国語、および日本語に完全にローカライズされた IntelliJ IDEA の UI をご利用いただけます。 このローカライズはバンドル対象外の言語パックプラグインとして提供されており、IDE へ簡単にインストールできます。 すでに 150 万人以上のユーザーが一部ローカライズされた EAP バージョンの言語パックを使用しています。 今回のリリースからは完全なローカライズ環境をご利用いただけます!

Android プラグインのアップデート

Android プラグインがバージョン 4.2.0 にアップグレードされました。

バンドル対象から除外されたプラグイン

いくつかのプラグインの使用頻度を解析した結果、Resource Bundle EditorDroolsJSP Debugger SupportCoffeeScriptSpring Web FlowSpring OSGIArquillianAspectJGuiceHelidonEmmaEJB といった一部のプラグインをバンドル対象から除外することにしました。 今後もこれらのプラグインが必要な場合は、JetBrains Marketplace から手動でインストールしてください。