Rider 2025.2 では、JetBrains の AI コーディングエージェントである Junie が IDE に組み込まれました。 プロンプトで複数ステップ構成の複雑なタスクを委任し、主導権を握ったまま Junie に作業を任せることができます。 このリリースは、ソースレベルでの Unity シェーダーのデバッグ、混合モードでのデバッグのサポート、Unreal Engine と Godot に関連するさまざまな改善など、ゲーム開発者に嬉しい要素が満載です。 また、新しい OpenTelemtry プラグインを使用することで、ログやメトリクスなどの実行動作に関する可観測性のデータを IDE 内で直接取得することができます。
作業負荷を軽減し、エンドツーエンドの生産性を向上させるように設計された AI コーディングエージェント「Junie」を使用して新たなコーディング方法を探ることができます。
このコーディングエージェントは実際の開発者タスクを重視した作りになっており、導入が容易で、信頼できる結果を得るのに役立ちます。 Junie は単純なタスクを実行できますが、その真価を発揮するのは比較的複雑なタスクが割り当てられた場合です。 Code(コード)モードを使用してコーディング作業を委任することも、Ask(質問)モードを使用して機能や新しい解決策についてブレインストーミングを行うこともできます。
このページの「AI」セクションに進み、Junie の機能セットに追加された最新機能についてお読みください。
Monitoring (監視)ツールウィンドウが改修され、.NET アプリケーションのパフォーマンスを容易に最適化できるようになりました。 また、CPU 使用状況、メモリ消費量、およびガベージコレクション処理の対話型チャートが追加され、パフォーマンスまたはメモリのプロファイリングセッションを開始して詳細な解析を実施できるようになっています。 Windows 版ではパフォーマンスのボトルネックを自動検出することも可能です! 検出された項目をクリックするか、チャート上の時間間隔を選択すると、バンドルの dotTrace プロファイラーでコールスタックデータが表示され、エディター内の該当するメソッドへ直行できます。
新しい OpenTelemetry プラグインを使用すると、IDE から離れることなく実行動作に関する可観測性を確保できます! このプラグインは、ログやメトリクスを直接確認する機能を Rider に追加します。 ログエントリから原因になっているコードに直接移動し、パフォーマンスメトリクスを可視化し、アプリケーションのフローに基づいて自動生成されたアーキテクチャ図を表示できます。 開発中とテスト中にシステムの動作を理解できるため、外部ダッシュボードは不要です。
JetBrains IDE で MCP(Model Context Protocol)サーバー向けのセットアップをワンクリックで実行し、サードパーティ AI クライアントに簡単に接続できるようになりました。 ユーザーのマシン上で互換性のあるクライアントが検出されると、IDE によってサーバーの有効化と接続の自動構成が促されます。手動セットアップは不要です。
この統合により、JetBrains IDE の機能がお気に入りの AI クライアントにまでインテリジェントに拡張され、ユニットテストの実行、コードのリファクタリング、ファイル生成などのアクションを呼び出せるようになります。
Rider 2025.2 では、Rider でガベージコレクションを担うConserveMemory 設定を調整してみました。 その結果、管理対象のメモリの消費量がピーク時で最大 20% 減少しました。この改善は、特に大規模なコードベースで作業する際に目覚ましい効果を発揮すると思われます。
ローカル変数またはユーザー定義のウォッチを評価するコストが高い場合に Rider がデバッガーのステップ実行を処理する動作を改善しました。 従来の Rider は必要な計算を行う際、コストの高いウォッチ(大きな Unity オブジェクトや複雑な LINQ 式の追跡など)が原因でコードのステップ実行が遅く感じられることがありました。 Rider が不要な評価をより効率よくキャンセルするようになり、ウォッチを多用するプロジェクトでも迅速かつ応答性の高いステップ実行が可能になりました。
Rider 2025.2 では、C# 14 で追加された最新機能の初期サポートに加えて、コード解析に関連するその他のさまざまな改善が導入されています。 以下にいくつかの注目すべき改善点を記載しています。
Rider はコード補完、コード解析、Find Usages(使用箇所の検索)、Rename(名前の変更)リファクタリングなどの機能を提供することで、C# 14 で導入された拡張メンバーを早期にサポートしています。
C# 14 の部分イベントと部分コンストラクターにより、ソース生成の可能性が広がり続けています。 Rider がこのような新たなユースケースにも対応するように更新されました。
Rider 2025.2 では新しい a?.b = c パターンと a?[i] = c パターンを使用してコードを単純化しつつ、潜在的な null 値を安全に処理できます。
Rider が C# 14 で導入されたユーザー定義の複合代入演算子を正しく理解し、処理できるようになりました。
Rider が新しい #! および #: プリプロセッサディレクティブを認識するようになりました。
C# とコード解析に関するすべての更新内容については、「ReSharper 2025.2 の新機能」ページをご覧ください。
Rider が Roslyn の CompletionProvider API をベースにしたコード補完拡張機能をサポートするようになりました。 そのため、NuGet で配布される解析ツールに Roslyn の CompletionService を組み込み、コンテキスト固有のインテリジェントなコード提案を提供することができます。
この機能強化により、高度な ASP.NET Core の補完のサポート(ルートパターンや埋め込み言語構文など)のみならず、コミュニティパッケージや社内ツールによるカスタム補完が可能になったため、Rider 開発の柔軟性が大幅に向上します。
Rider が Roslyn ベースの抑止機能を完全にサポートするようになりました。これにより、ソースファイルの視認性を損なうことなく、カスタムロジックを使用して不要な警告を排除できます。 従来の [SuppressMessage] 属性や #pragma ディレクティブとは異なり、これらの抑止機能は表示されることなくバックグラウンドで動作します。 抑止された診断はエディターから消えるだけであるため、ワークフローが中断されることはありません。
コード補完とクイックフィックスの Import(インポート)機能をさらに改善しました。これによって型の static メンバーがサポートされるようになり、他のシンボルのパフォーマンスと正確性が改善されました。
コードアノテーションにより、必要な型が自動的にインポートされるようになりました。また、コンテキストアクションを介した推論型の指定がより多くの状況でサポートされるようになりました。
言語の相互運用性や F# スクリプトに関連するものを含め、コード解析で発生していた複数の問題を解決しました。
JetBrains の AI コーディングエージェント「Junie」の動作速度が最大 30% 向上し、Model Context Protocol(MCP)をサポートするようになりました。これにより、コンテキストの認識がさらに深まり、従来よりもスマートにタスクを実行できるようになっています。 このリリースより、Junie をリモート開発にも使用できるようになりました。
Junie が GitHub を統合することで、IDE を開かなくてもプルリクエストを管理できるようになりました。 非同期開発時の Junie はさらに時間をかけて解析と応答を行い、コンテキストを綿密に考慮した結果を提供します。 この機能は現在、早期アクセスプログラムで提供されています。順番待ちリストに登録し、IDE でお試しください。
JetBrains AI Assistant に大規模な改良が施され、開発ワークフローに完全に統合される AI 支援機能の速度とプロジェクト認識精度がさらに向上しました。
新機能は以下の通りです:
詳細はこちらをご覧ください。
AI Assistant が Microsoft Visual Studio Code に対応し、JetBrains IDE で使い慣れた AI 搭載機能を VS Code ワークフローでも使用できるようになりました。
この拡張機能は、プロジェクトを認識するチャット、Mellum を使用したインテリジェントなコード補完、ドキュメント生成、コミットメッセージの提案などを提供します。 新たに導入された Agent(エージェント)モードを使用すると、作業の主導権を完全に握ったまま、複数ファイルにわたる複雑な変更について支援を得ることができます。
このオプションは、Rider と VS Code の両方で C# を扱う場合に大いに役立ちます。 現在ご契約中の JetBrains AI サブスクリプションを使用することもできますが、まだご契約でない方も JetBrains Account でログインすることで、無料の AI EAP ライセンスが自動的に発行されます。
このリリースでは、低レベルの例外をサポートする素晴らしい新機能が導入されました。
Unreal Engine などの多くのフレームワークは、デバッガーを強制停止するために int3 命令や同様のシグナル、またはコンパイラーの組み込み関数を使用します(これらは通常、アサーションの形態で実装されています)。
Rider 2025.2 では、このようなアサーション例外を新しい例外抑止ブレークポイントを介して全体的に抑止するか、低レベルの例外が発生した際にエディター内で右クリックして局所的に抑止することができます。
詳細については、ブログ記事をご覧ください。
パワーユーザー向けに特定メソッドの Step Into(ステップイン)の動作を変更する強力なステップフィルターの機能を追加しました。 メソッドまたは関数がスキップ対象になっている場合、Step Into(ステップイン)アクションは Step Over(ステップオーバー)のように動作します。これにより、デバッグ時に「ライブラリ」のコードを扱うのがはるかに簡単になります。
メソッドと関数は UI に追加することも、.natstepfilter ファイルと .natjmc ファイルを介して構成することも可能です。
複数プロセスのデバッグは複雑な作業になる場合があるため、いずれかのプロセスでブレークポイントに到達した時点ですべてのプロセスを一時停止する新しい設定を追加しました。プロセスを再開、一時停止、およびすべて停止するアクションも導入されています。
Rider 2025.2 では、リモート .NET アプリケーションのデバッグと同様に、リモートマシン上のネイティブプロセスのデバッグがサポートされるようになりました。 Attach to Process(プロセスにアタッチ)ダイアログではリモートマシンのプロセスのリストが SSH 経由で取得され、選択されたプロセスにデバッガーをアタッチすることができます。
現時点では Windows にのみ対応しています。
その他の軽微な変更には、子プロセスへのアタッチを制御する構成ファイルを介して子プロセスタブの順序を変更する機能の追加などがあります。また、C++ ブレークポイントのヒットカウントの条件も新たにサポートされています。
もちろん、これらの新機能はすべて Unreal Engine 開発でも効果的に機能します! その他の Unreal Engine 向けの新機能については、「ゲーム開発」セクションをご覧ください。
Rider にバンドルされている Frame Viewer プラグインで Unity シェーダーをソースレベルでデバッグできるようになりました!
.rdc レンダリングスナップショットを直接検査できます。現時点では Windows 上の Unity プロジェクトにのみ対応しています。
これまでマネージドコードとネイティブコードの両方をデバッグする機能に対する要望が多く寄せられてきましたが、その中でも特に Unity プロジェクトについては突出していました。 Rider 2025.2 では Unity プロジェクトで混合モードでのデバッグがサポートされ、C# コードと C++ コードの両方でブレークポイントを設定したり、それらのコードをステップ実行したりできるようになりました。 混合モードでのデバッグを可能にするには、実行構成エディターのチェックボックスを使用してください。
現時点では Windows 上の Unity プロジェクトにのみ対応しています。
Rider と Unity Profiler との統合をデフォルトで有効化しました。 この機能は 2025.1 で実験的機能として導入されましたが、正式な機能になってデフォルトで有効化されるようになりました。 Unity でプロファイリングを行う際、Rider が自動的に詳細を読み込み、パフォーマンス情報をエディターに直接表示するようになります。
この機能の詳細については、Rider のドキュメントをご覧ください。
また、ブレークポイントのスキップやハング状態、その他のパフォーマンスの問題を引き起こす可能性のある多くの厄介な問題も修正しました。 それらの問題はかなりプロジェクトに特化したものであり、サイズや特定のコーディングパターン、ジェネリクスの使用などにも関連していたため、原因を突き止めて再現するのは非常に困難でした。 問題の診断と再現に際しては、コミュニティの皆様から多大なるご支援をいただきました。ご協力いただいた皆様、非常に有益な情報と多くのフィードバックをお寄せいただいた皆様、本当にありがとうございました!
UINTERFACE の Show Usages(使用箇所の表示) ブループリント内のコードの使用箇所を示す Rider の優れた機能が拡張され、UINTERFACE を実装するブループリントもサポートするようになりました。
BlueprintGetter および BlueprintSetter メタデータ内のメソッド名のコード補完を追加しました。
.uproject ファイルの読み込みを提案する新機能 このリリースでは、ソリューションファイルを生成する代わりに、.uproject ファイルを使用して Unreal Engine プロジェクトを読み込むことを提案する便利な通知を追加しました。
Rider は Unreal Engine のネイティブプロジェクト形式を読み込むことができるため、ソリューションファイルの生成は不要です。そのため、ゲーム開発者が取るべき手順が少なくなります。 また、この変更により、Rider が Mac と Linux で Unreal Engine プロジェクトを読み込めるようになりました。
さらに、Unreal Engine を扱う際に非常に役立つ多くの新機能をネイティブデバッガーに実装しました。 新機能については、「ネイティブのデバッグ」セクションでご確認ください。
Rider 2025.2 では、以前のコミュニティ主体で作成されたプラグインをベースとした新しい GDScript プラグインがバンドルされています。
これにより、コード、Godot ノード、およびリソースの補完といった Rider 独自の機能を GDScript に追加できるようになりました。 これらの機能は、ドキュメントツールチップとパラメーターヒントに表示されます。また、Ctrl+クリックによる宣言への移動や Find Usages(使用箇所の検索)、Rename(名前の変更)などのリファクタリングもサポートされています。 新しいソースコードを簡単に追加するためのファイルテンプレートも含まれています。
現在のシーン内のすべてのノートを表示する Scene Preview(シーンプレビュー)ツールウィンドウや、現在のシーンの実行、親メソッドのハイライト、リソース使用状況の監視、接続中のシグナルの表示などを行うエディター内アイコンもあります。 インスペクションでは、到達不能コードなどの問題や、欠落している、または不正な戻り値の型を確認することができます。 Godot エディターよりも詳細な解析を行うことも可能で、型付けされていない値や偶発的な暗黙のキャストではより厳密に解析できます。 さらに、問題の修正や小さな変更を行うための多数の Alt+Enter アクションも備わっています。
今後のリリースでは、Rider による GDScript のサポートをさらに更新する予定です。
Godot Engine の C++ ソースコードをビルド・貢献するための開発者ワークフローにおける複数の問題も解決しました。doctest ベースのテストが正しく実行されるようになったほか、.sln/.vcxproj の生成が macOS、Linux、Windows、および各種の C++ ツールチェーンをサポートするように改善されています。 C# スクリプトについては、Godot のエディター設定に JetBrains Rider と JetBrains Fleet の個別の登録オプションが追加されました。
Rider 2025.2 では、dotCover による Mono プロジェクトと Unity プロジェクトのカバレッジ解析が提供されなくなりました。 使用率の低さを解析したところ、パフォーマンスの改善と分析のカバレッジに集中的に取り組んでいるチームの技術的負債が大幅に増大することが分かったためです。 Unity プロジェクトのカバレッジ解析は、Unity が CoreCLR に移行した後に(おそらく Unity 7 LTS の後に)復活させる予定です。 Cover Application(アプリケーションのカバー)ダイアログに表示される使用可能なターゲットアプリケーションの種類は少なくなり、.NET、.NET Core、Windows Service、および IIS に限定されます。 この変更による悪影響が発生した場合や懸念事項がある場合は、サポートチームにお問い合わせください。
Rider 2025.2 では新しい TypeScript-Go 言語サーバーの実験的サポートが導入され、TypeScript 開発にパフォーマンス改善とモダンなアーキテクチャがもたらされました。
TypeScript の代わりに @typescript/native-preview パッケージを依存関係としてインストールすると、このサポートをプロジェクトで有効にできます。 Rider によって正しい言語サーバーが自動的に検出され、使用されるようになります。
詳細については、WebStorm の新機能ページをご覧ください。
Rider がバンドルプラグインを介して SQL データベースプロジェクトをサポートするようになりました。 このプラグインは初期状態ですぐに機能し、SQL データベースプロジェクトの作業を円滑化します。 主な機能には以下が含まれます:
Microsoft.Build.Sql SDK 形式のプロジェクトに対するサポート。Rider 2025.3 より、動的プログラム解析(DPA)の機能は現在の形態でご利用いただけなくなります。 ただし、提供形態が変わるだけで、この機能が完全に消えるわけではありません。
現在、DPA の背後にある一部の解析システムを Monitoring(監視)ツールウィンドウに組み込む作業を進めているところです。この作業は、ワークフローを単純化し、アプリケーションのパフォーマンスの監視と改良を 1 か所で行えるようにするという、より広範な取り組みの一環です。 この変更により、開発者がより高速で優れたソフトウェアを構築するのに必要な価値あるインサイトを維持しながら、開発作業をより合理化できるようになります。 Monitoring(監視)ツールに組み込まれる DPA 機能は、dotUltimate ライセンスでのみ提供される予定です。