RubyMine 2025.1 の新機能

Ruby および RBS 対応の AI 機能、Ruby 3.4 のサポートの改善、Kamal スキーマの更新、Rails ジェネレーターと Rake タスクの自動再ロードを無効にするオプション、新しい整形オプション、Rails ジェネレーターのロードエラーに関する通知などが含まれます。

AI Assistant

AI Assistant の大規模な改良

JetBrains AI Assistant に大規模な改良が施され、AI を活用した開発がより親しみやすく効率的なものになりました。 このリリースにより、RubyMine ですべての JetBrains AI 機能を無料で使用できるようになりました。一部の機能(無制限のコード補完やローカルモデルサポートなど)は無制限に使用できますが、その他の機能は制限付きのクレジット制でアクセスできます。 また、新しいサブスクリプションシステムを導入し、AI Pro および AI Ultimate ティアで必要に応じてスケールアップを簡単に行えるようにしました。 詳細は、動画をご覧ください

AI Assistant による RBS のサポート

RubyMine 2025.1 では JetBrains AI Assistant プラグインがさらに強化され、RBS 言語をサポートするようになりました。


クラウドベースのコード補完に新しいモデルを採用

AI が RBS に対応した提案を行えるようにするため、JetBrains の新しい Mullum モデルを採用しました。 この改善により、コードの生成速度が確実に向上し、不適切な提案を除外できるようになります。


プロンプトのインライン入力

エディター内で自然言語プロンプトを直接使用し、AI Assistant を利用して RBS のコーディングを強化できるようになりました。

アノテーターのサポート

RubyMine 2025.1 ではアノテーターがサポートされ、AI のコード提案でエラーインスペクションと構文ハイライトが機能するようになりました。

AI のコンテキスト認識精度の向上

AI Assistant が RAG ベースの高度な検索を使用して最も関連性の高いファイル、メソッド、およびクラスを明確化し、プロジェクト全体をより深く理解できるようになりました。 また、コンテキストに最近アクセスされたファイルも含まれるようになったため、よりワークフローに関連性のある対話が可能になっています。 AI のコンテキストをこれまで通り完全に制御することもできます。 コンテキストとして送信する添付ファイルを追加したり、削除したりできます。

使用可能な AI モデルの追加

RubyMine では以下の最新かつ最先端の中からモデルを選ぶことで、AI の使い勝手を完全に調整できます。

  • Claude 3.7 Sonnet
  • OpenAI GPT-4.1 (сoming soon)
  • Gemini 2.0 Flash

オフラインモード: ローカルモデルの使用

RubyMine 2025.1 ではオフラインモードがサポートされているため、AI Assistant なしで作業を進める必要がなくなりました。 Ollama および LM Studio ローカルモデルを使用すると、インターネット接続がなくても AI によるコーディング支援をすべて使用することができます。

AI チャットの編集モードでの複数ファイルの変更

RubyMine で複数のファイルをこれまで以上に簡単に編集できるようになりました! AI Assistant がチャットで 1 回対話するだけで検索拡張生成(RAG)手法を使用して最も関連性の高いファイルを特定し、プロジェクト全体に対する変更を提案するようになりました。

チャットのコードスニペットを素早く適用

AI チャットが改良され、コードスニペットを提案するだけでなく、Apply(適用)をクリックした際に新しい生成コードを挿入すべき場所を正しく検出するようになりました。 この機能により、手動によるコピーと貼り付けの操作がなくなるため、RubyMine 2025.1 でのワークフローが大幅に合理化されます。

AI のコンテキストからファイルを除外

RubyMine 2025.1 では、.aiignore ファイルを構成することで、無視する項目を AI Assistant に指示できます。 これにより、AI が機密データを含むファイルやフォルダーにアクセスするのを防ぐことができます。

Ruby

Ruby のグローバルな名前空間に定数を作成した際の警告

RubyMine で Ruby のグローバルな名前空間に定数を作成したり、変更したりした際に警告が表示されるようになりました。

インデックス代入式でキーワード引数を使用した際エラー

Ruby 3.4 では、インデックス代入内でキーワードとブロック引数を使用した際にエラーが発生します。 そのようなエラーを表示するインスペクションとクイックフィックスを IDE に実装しました。

Incorrect argument count(不正な引数の数)インスペクションの改善

Incorrect argument count(不正な引数の数)インスペクションを改良し、メソッド定義でのブロックの使用箇所をより適切に追跡するようにしました。 また、複雑な super 呼び出しの処理を改善し、警告メッセージを改良し、インスペクションの重要度レベルを Warning(警告)に引き下げました。

Hash.new による capacity キーワードの受け入れ

capacity パラメーターを Hash.new メソッドに渡す際、RubyMine が unknown keyword(不明なキーワード)警告を表示しなくなりました。

asdf 0.16 以上のサポート

RubyMine 2025.1 が asdf の最新バージョンをサポートするようになり、このバージョンマネージャーがインストールされているインタープリターを適切に認識するようになりました。 これにより、これまで書き直されたバージョンの asdf 0.16 を RubyMine で使用する際に発生していた可能性のある問題が解決されました。

Rails

Kamal 2.4.0 および 2.5.0 の deploy.yml スキーマの更新

Kamal 2.4.0 および 2.5.0 で導入された変更に対処するため、以下を含む多数の deploy.yml キーに対するコードインサイトのサポートを追加しました。

  • accessories.network
  • accessories.proxy
  • accessories.registry
  • builder.provenance
  • builder.sbom
  • proxy.hosts
  • ssh.config

Rake タスクと Rails ジェネレーターの自動再ロードを無効化するオプション

Rails ジェネレーターと Rake タスクの自動再ロードを制御するための高度な設定を 2 つ追加しました。 これらの設定が無効な場合は、手動の再ロードアクションのみを使用できます。 どちらの設定も Settings(設定)| Advanced settings(高度な設定)からアクセスできます。

Rails ジェネレーターのロードエラーに関する通知

集中力の妨げとなっていたツールウィンドウの通知を比較的地味なバルーン通知に置き換えることで、Rails ジェネレーターのロードエラーの UX を改善しました。

その他の機能

二項式を整列するオプション

RubyMine の新しいフォーマッター設定により、if および while 条件、代入、return ステートメント、および丸括弧のない関数呼び出しにある二項式を整列できるようになりました。 この新しい設定は RuboCop の動作に準拠した設計となっており、Settings(設定)| Editor(エディター)| Code Style(コードスタイル)| Ruby | Wrapping and Braces(折り返しと波括弧)| Binary expressions(二項式)| Align when multiline(複数行の場合は揃える)からアクセス可能です。 このオプションを無効にすると、デフォルトの RubyMine の整形処理に戻ります。

用語の更新

ユーザーインターフェース全体で用語を見直し、Ruby SDKRuby インタープリターに置き換えることで、用語の分かりやすさと一貫性を確保しました。

.env files プラグインのバンドル化

RubyMine 2025.1 には .env files プラグインがあらかじめインストールされています。このプラグインは構成の設定、環境変数、および機密性の高い情報の管理に広く使用されています。

ユーザーエクスペリエンス

Windows OS ネイティブのファイルダイアログ

RubyMine 2025.1 では Windows ネイティブのファイルダイアログが採用され、デフォルトの設定に組み込まれています。 従来のオプションには、Advanced Settings(高度な設定)| User Interface(ユーザーインターフェース)で戻すことができます。

Project(プロジェクト)ツールウィンドウの新規ファイル作成

RubyMine 2025.1 では、ファイルの作成手順が単純化されました。 Project(プロジェクト)ツールウィンドウで + アイコンをクリックした際に表示されるポップアップリストから必要なファイルテンプレートを選択することができます。検索フィールドを使用すると、表示項目を簡単に絞り込むことができます。

プラグインの自動更新オプション

RubyMine 2025.1 では、プラグインをバックグラウンドで自動更新するように指定できます。 この設定により、互換性のある入手可能なアップデートがダウンロードされ、次回の RubyMine の起動時にそのアップデートが適用されます。 自動更新は、更新ダイアログか File(ファイル)| Settings(設定)| Appearance & Behavior(外観 & 振る舞い)| System Settings(システム設定)| Updates(アップデート)の Enable auto-update(自動更新を有効にする)チェックボックスをオンにすると有効にできます。

VCS

Diff ペインの強化

コミットの詳細を Diff ペインに直接表示できるようになりました。 これにより、ファイルの履歴と変更をより素早く簡単に分析することができます。

モーダル形式のコミットインターフェースの廃止

RubyMine 2025.1 ではさまざまな理由により、モーダル形式のコミットインターフェースが廃止されました。 ただし、このオプションは今後も独立したプラグインとして提供されます。

リモート開発

Containerfile のサポート

RubyMine 2025.1 は Containerfile を認識できるため、複数の異なるツールを同じ環境内のリモートソリューションに使用する際にもスムーズに開発を進めることができます。 Docker、Podman、Buildah のどれを使用する場合でも、すべて同じファイルで構成でき、選択したツールで完全に認識され、構文ハイライト、リント、スニペットの提案が完全にサポートされます。

RemDev での編集の改善

RubyMine 2025.1 では、入力、ハイライト、および整形処理の遅延が軽減され、リモート開発での編集が全体的により快適になっています。