WebStorm 2019.3では起動の高速化、Vue.jsサポートの大幅な強化、JavaScriptのコード補完のより高度なスマート化、長く未解決であった多数のバグの修正を行いました。
これまでWebStormユーザーが直面していた、主要なパフォーマンスの問題の1つとして、IDEの起動時間の遅さが挙げられます。 過去2回のリリースサイクルを通して、私たちはウェルカム画面の表示とインデックス化済みのプロジェクトをIDEが開くまでの待ち時間の削減に注力してきました。 その結果、WebStormによるこれらの処理が以前のバージョンよりも20%高速化されました。
コーディング速度を向上するため、WebStormでスロット名を自動補完できるようになりました。 この自動補完は、プロジェクトコンポーネントやVuetify、Quasar、BootstrapVueのようなコンポーネントライブラリで定義済みのスロット名に対して有効です。
また、WebStormは別ファイル上に存在するコンポーネント部品間のリンクを認識するようになり、単体の.vueファイル内では定義されていないプロパティ、データ、メソッドの正確な補完候補を提供できるようになりました。
WebStorm 2019.3では、Vue.jsや一部の人気コンポーネントライブラリで定義されたコンポーネントとディレクティブのドキュメントを確認できるようになりました。 当該ドキュメントを確認するには、コード内のコンポーネント名やディレクティブ名の上でF1を押します。
WebStorm 2019.3はSchematicsとAngular 9、および Yarn 2のプラグアンドプレイ機能をサポートしています。 また、TypeScript 3.7の主な機能(optional chaining(オプショナルチェーン)、nullish coalescing(null合体演算子)、assertion signatures(アサーションシグネチャ))に対応しています。
WebStormは、propTypesのないコンポーネントに対して、コンポーネントの使用箇所で当該プロパティが渡されていることが確認できる場合、props.something
未解決プロパティを報告しないようになりました。
ファイルのメイン言語とは異なる言語のコード片を取り扱う必要がありますか? Alt-Enterを押し、Pug、Handlebars、EJSなどのファイルにコード片を注入できるようになりました。
JavaScriptファイルやTypeScriptファイルで新しい変数やパラメータの名前を追加する際、使用中のプロジェクト、標準ライブラリ、および依存物で定義されているクラス、インターフェース、型エイリアスの名前に基づいた名前が提案されるようになりました。
新しい変数、関数、クラス、インターフェースの場合は、同じ範囲で使用済みであるものの、未定義で未解決になっている名前も提案されます。
プロジェクト内でBootstrapや別のCSSライブラリを使用し、それをHTMLファイル内でCDNからリンクしている場合、当該ライブラリのソースをプロジェクトに追加することなくそのクラス名を補完できるようになりました。 この補完を有効にするには、HTMLファイル内のリンク上でAlt-Enterを押して「Download library」を選択するだけです。
バージョン管理システムからプロジェクトを複製する際、ウェルカム画面とVCSメニューにGet from Version Controlダイアログが新しく表示されるようになりました。
この再設計にあたっては、主にGitHubからのプロジェクト取得操作の改善に努めました。最新のダイアログからは直接GitHubアカウントにログインできるようになりました。 ログイン後、ご自身のアカウントや所属組織のリポジトリ一覧を調べ、そこから直接WebStormにプロジェクトを複製することができます。
あるブランチで作業しながら、別のブランチの変更をプッシュする必要がありますか? この最新アップデートでは、変更をプッシュしたいブランチに切り替える必要はありません。対象ブランチをBranchesポップアップから選択し、Pushをクリックするだけです。
Version Controlツールウィンドウから直接コミットできるようになりました。別のダイアログがIDEの他の部分を邪魔することはありません。 この機能を利用するには、Preferences/Settings | Version Control | Commit DialogでCommit from the Local Changes without showing a dialog(ダイアログを表示せずにローカルの変更からコミットする)にチェックを入れてください。
多数のユーザビリティの問題を解決するため、1つのCheckout as...アクションを2つの新しいアクション(リモートブランチに一本化したCheckoutアクションと、リモートブランチとローカルブランチの両方に対応したNew Branch from Selected...アクション)に置き換えました。
npmやYarnのようなツールを起動し、最近のプロジェクトを開いたり、Run/Debug構成を開始する必要がありますか? 今回、これらのすべての操作をRun Anythingアクション(Ctrl-Ctrl)を使用して一箇所から実行できるようになりました。
新しいIn Selectionフィルター(Cmd/Ctrl-Fを2回)を使用すると、検索対象をファイル内の選択したコード部分に絞り込み、特定の情報をより高速に検索できます。
WebStorm 2019.3以降、Dartプラグインはバンドルされません。 この措置は同プラグインのリリースサイクルを短縮するために行われました。バンドル対象のプラグインはIDE全体のアップデートと同じタイミングでしかアップデートされないためです。 今後、Dartをご利用の際はPreferences/Settings | Pluginsから同じDartプラグインをインストールする必要があります。
プロジェクトにPrettierのようなサードパーティ製ツールを使用し、それをファイルウォッチャー経由で設定する場合、自動的にその設定を作成するすべての新しいプロジェクトに適用したい場合があります。 このリリースでは、全体に及ぶファイルウォッチャーをデフォルトで有効化することで、この処理を実現できるようになりました。