ES2022 プライベートクラスメンバーのサポート、リモート開発向けの新機能、モノリポのサポート改善、Deno LSP、Run(実行)ツールウィンドウの分割機能など。
プライベートフィールドは 2018 年からサポートされていますが、 従来のサポートは TC39 の古いプロポーザルをベースとしていたため、それ以降は標準から外れたものとなっています。 そこで、標準に準拠させるために既存のサポートを一から作り直しました。 WebStorm 2021.3 では、ES2022 のプライベートクラスメンバーが適切にサポートされています。
ES6 ファイルのインポートパスにクイックフィックスを使用して、リモート ES6 モジュールをダウンロードできるようになりました。 このモジュールはすべての依存関係とともにダウンロードされ、プロジェクトライブラリとしてリンクされます。 この動作を試すには、インポートパスにキャレットを置き、Alt+Enter を押して Download module(モジュールのダウンロード)を選択してください。
.js
と .d.ts
ファイル間のマッピングの改善 .js
と .d.ts
ファイル間のマッピングを改善し、これらのファイル間を移動しやすくするためのガターアイコンを追加しました。 この変更に関する詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
JavaScript ファイルのインデックス作成時間を 20% 短縮しました。 この改善によって、大規模な Git の更新を行う場合や新しいプロジェクトを開いた際に作業をより素早く開始できるようになることを期待しています。 プロジェクトの主な構成ファイルが .ts
またはその他の形式である場合は、この変更に気づきにくい可能性があります。
このリリースには、モノリポの操作に関する改善が多数含まれています。 最も大きな変更は、package.json
を含むプロジェクト内の各フォルダーを個別のパッケージとして処理することで、自動的に追加されたインポートがプロジェクト構造を維持するようになったことです。
WebStorm 2021.3 では、エディターから npm パッケージを最新バージョンにアップデートできるようになりました。 package.json
ファイルを開き、アップデートするパッケージバージョンにキャレットを置いて Alt+Enter を押すと、Update ‘package name’ to the latest version(‘パッケージ名’ を最新バージョンにアップデート)を選択できます。 また、パッケージのバージョンにマウスを重ねるとクイックフィックスが表示されます。
WebStorm での Deno の操作感を改善するため、Deno LSP に移行するとともに多数の既知の問題を修正しました。 Deno の使用方法についての詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
HTML でコード補完が機能する仕組みを改善しました。 エディターにタグ名または略語を入力するか、コード補完を呼び出すと、WebStorm がすぐに関連性の高い候補を表示します。 以前は、<
を先頭に入力しなければ表示されませんでした。 また、文字エンティティ参照のコード補完動作も改善されています。
WebStorm 2021.3 では、Vue テンプレートの型チェックがサポートされています。 IDE はプロパティにバインドされた式に誤った型が使用されていることを通知します。 この型チェックは React の属性にも機能します。
このリリースでは、WebStorm の組み込み HTTP クライアントを大幅に改善しました。 バイナリレスポンスのサポートやカスタムファイルまたはディレクトリへの出力のリダイレクト、およびその他の新機能が多数追加されています。
WebStorm 2021.3 では、ベータ版の新しいリモート開発ワークフローがサポートされています。 IDE バックエンドを実行中のリモートマシンに接続し、ローカルマシンで作業しているかのようにリモートマシンのプロジェクトに取り組むことができます。 この仕組みは、JetBrains Gateway という新しいアプリケーションによって実現しています。 詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
このリリースでは、Docker に Node.js がインストールされており、それを WebStorm の JavaScript ツーリング統合に使用するというワークフローをサポートする大きな改善がいくつか行われています。 ESLint、Jest、Mocha、npm で Node.js リモートインタープリターを使用できるようになりました。 詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
Preferences(環境設定)/ Settings(設定)| Tools(ツール)| SSH Configurations(SSH 構成) で、SSH 構成に HTTP または SOCKS プロキシサーバーを指定できるようになりました。 新しい HTTP/SOCKS Proxy(HTTP/SOCKS プロキシ)セクションでプロキシの種類を選択してホスト名とポートを入力し、必要であればログインとパスワードによる認証を適用することができます。
複数の構成を実行している場合に、それぞれの結果を同時に確認したいと思ったことはありませんか? Run(実行)ツールウィンドウを分割できるようになりました! 分割するには、目的のタブをハイライトされた領域にドラッグアンドドロップしてください。 タブを元の場所にドラッグすると、ツールウィンドウの分割が解除されます。上部ペインを右クリックして、コンテキストメニューから Unsplit(分割解除)を選択することも可能です。
WebStorm にはかつて Favorites(お気に入り)と Bookmarks(ブックマーク)という非常によく似た 2 つのインスタンスがありました。 これらの違いは分かりにくいことがあったため、Bookmarks(ブックマーク)のみに絞ることにしました。 この機能のワークフローに手を加えて、新しいツールウィンドウを作成しました。 今後、F11 で重要としてマークしたすべてのファイル、フォルダー、およびクラスはこの新しい Bookmarks(ブックマーク)ツールウィンドウに配置されます。
Ctrl+Alt+F7 を使用するか、Ctrl を押して定義をクリックしてシンボルの使用箇所を表示する場合、矩形のアイコンをクリックして source code preview for a found usage(検出された使用箇所のソースコードをプレビュー)を有効にできるようになりました。
Windows 版 WebStorm の組み込みターミナルで、新しい ConPTY API がサポートされるようになりました。 この変更によって複数の課題が解決し、24 ビットカラーのサポートが追加されています。 また、テキストの変更を予測し、それを直ちにライトグレーで表示する先行入力のサポートが新たに追加されています。 この機能により、作業場所がローカルであるかリモートマシンであるかに関係なく、同じ速さでターミナルに入力することができます。
スクリーンリーダーを使った作業をより楽に行えるように、アクセシビリティに関する問題をいくつか解決しました。 マウスオーバーで表示されていたツールウィンドウウィジェットのポップアップとクイックドキュメントのポップアップを無効にしています。 macOS でのアクセシビリティサポートも改善されました。 VoiceOver のフォーカスに関する複数の問題を解決し、スクリーンリーダーを使ってプロジェクトを作成できるようになっています。
マウスホイールでエディターのフォントサイズを変更できることをご存知ですか? これまでこの機能は現在作業中のファイルにのみ適用されていましたが、 開いているすべてのファイルに適用できるようにしました。 Preferences(環境設定)/ Settings(設定)| Editor(エディター)| General(一般) に移動し、Change font size with Command / Ctrl + Mouse Wheel in(Command / Ctrl + マウスホイールで次の場所のフォントサイズを変更する)をオンにして、All editors(すべてのエディター)オプションを選択してください。
Preferences(環境設定)/ Settings(設定)| Version Control(バージョン管理) 配下のすべての項目を再構成し、重要な構成オプションを以前よりも見つけやすくしました。 例えば Git ノードの設定は、最も重要なプロセスである Commit(コミット)、Push(プッシュ)、および Update(更新)のセクションに分割されています。 また、これらのセクション内のパラメーターはより論理的な方法で構成されています。
送信可能なコミットと進行中のコミットが混在しており、 確実に送信できるコミットのみをプッシュすることを検討する場合があります。 WebStorm では、Git ツールウィンドウの Log(ログ)タブで選択したコミットまで、コミットをプッシュすることができます。 コミットを選択して右クリックし、Push All up to Here(ここまでのすべてをプッシュ)を選択してください。
Checkout and Rebase onto Current(チェックアウトして現在のブランチでリベース)アクションを使うと、選択したブランチをチェックアウトし、現在チェックアウトされているブランチでリベースすることができます。 これまではローカルブランチのみで使用できていたアクションですが、 バージョン 2021.3 ではリモートブランチでも使用できるようになっています。
旧バージョンの WebStorm では、コミットの差分を別のダイアログで表示していました。 このリリース以降の IDE は、この情報を新しい Changes(変更)ツールウィンドウに表示します。 この新しいツールウィンドウを開くには、バージョン管理システムの Log(ログ)タブでリビジョンを右クリックし、コンテキストメニューから Compare with local(ローカルと比較)を選択してください。