Rider 2025.1 は、.NET 10 および C# 14 のプレビュー機能に対する初期サポートを提供します。 このリリースでは、リポジトリ全体を可視化する新しい Files(ファイル)ビュー、Roslyn 構文ツリービジュアライザー、.NET および C++ソリューションのデバッグに関する多数の機能強化が導入されています。 ゲーム開発者は Unity プロファイラーの統合を活用でき、AI のパワーユーザーは新たにサポートされた LLM 一式を利用できます。
JetBrains AI Assistant に大規模なアップグレードが適用され、AI を活用した開発がより親しみやすく効率的なものになりました。 このリリースでは、JetBrains IDE の AI 機能が無料になり、無制限のコード補完、ローカルモデルのサポート、クラウドベースの機能をクレジット制で使用できるようになりました。 新しいサブスクリプション体系では、AI Pro および AI Ultimate ティアでのスケールアップを簡単に行えるようになっています。
このリリースでは、生産性を向上させて定型作業を削減するための大規模な機能強化が施されています。このような機能強化には、よりスマートなコード補完、GPT-4.1 (近日公開予定)、Claude 3.7、Gemini 2.0 Flash などの新しいクラウドモデルのサポート、高度な RAG ベースのコンテキスト認識、およびチャットから複数のファイルを直接編集できる新しい編集モードなどがあります。
Rider の新しい Files(ファイル)ビューを使用することで、コードベース全体の中を移動できます。 この再設計されたビューは、Solution(ソリューション)ビューの横にあります。 Files(ファイル)ビューにはルート以下のリポジトリ全体の構造が表示されるため、フルスタックプロジェクト、構成ファイル、およびモダンな開発環境を構成するすべての項目をより簡単に扱えるようになります。 リポジトリ全体の可視性を有効にするには、Solution Explorer(ソリューションエクスプローラー)ツールウィンドウの設定で New Files View(新しいファイルビュー)を選択してください。
Rider の新しい Roslyn 構文ツリービジュアライザーを使用することで、C# の構文ツリーを IDE 内で直接表示、調査できるようになりました。 このビジュアライザーでは、ツリーがリアルタイムにエディターと同期されて可視化されます。
ノードを対話的に探索し、そのプロパティを検査したり、コードと対応するツリーノードの間を迅速に移動したり、幅広い検索機能とフィルタリング機能を使用したりできます。 詳細はこちらをご覧ください。
Rider 2025.1 から、Windows ホストでのリモート開発が JetBrains Toolbox App を介してサポートされるようになりました。 Gateway は依然として Linux 接続に使用できますが、リモート開発の主なハブを Toolbox App に完全に移行する計画が進んでいるところです。 JetBrains Toolbox App を使用して Windows、macOS、Linux ホストマシンに接続する方法については、こちらのブログ記事をご覧ください。
Rider が Unity Profiler と統合され、CPU パフォーマンスのインサイトがエディターに直接表示されるようになりました。 この IDE は CPU 使用率のスナップショットを取得し、それをコード内にインライン表示することで、Unity スクリプトの作成やデバッグ中にパフォーマンスのボトルネックを簡単に特定できるようにします。 Unity Profiler の階層ビュー内の呼び出しから Rider 内の対応するメソッドにシームレスに移動できます。
このリリースでは、以下を含むさまざまな C# バージョンにおける一般的なミスや非効率性を対象とする新しいインスペクションもいくつか追加されています。
コード解析に対するこれらの改善やその他の改善については、ReSharper 2025.1 の新機能をご覧ください。
Rider 2025.1 の Roslyn アナライザーにはスコープ指定クイックフィックスが導入されており、ファイル、プロジェクト、またはソリューションレベルで修正を一括適用できるようになっています。 これにより、同じ修正を何度の適用する代わりに、クイックフィックスメニューからスコープ(単一ファイル、プロジェクト全体、またはソリューション全体のいずれか)を直接選択できるようになりました。
Rider 2025.1 は .NET 10 と C# 14 のプレビュー機能の初期サポートを提供しているため、以下のような最新の言語機能の強化を先取りできます。
nameof 以前は nameof を使用する際にすべての型引数を指定する必要があっため、不必要に冗長なコードになっていました。 C# 14 では型引数を明示的に列挙することなく nameof(List<>) を使用できます。 Rider が nameof 式内の冗長なジェネリック型引数を検出し、それらを単純化するクイックフィックスを提供するようになりました。
Span<T> 変換 C# 14 では ReadOnlySpan<T>、Span<T>、および T[] 間の新しい暗黙的な変換が導入されており、Span ベースのコードがより直感的になっています。 Rider はこれらの変換ルールを完全にサポートしており、効率的でモダンな C# コードの作成を支援します。
C# 14 では、ref、out、in、scoped などのパラメーター修飾子を明示的なパラメーター型を指定することなくラムダ式で使用できるようになりました。 Rider は冗長な型指定を除去するクイックフィックスを提供します。
Rider と ReSharper における C# 言語サポートの改善点については、ブログで詳細を確認できます。
推論された型がより多くのパターンで表示されるようになり、マッチ式やその他のパターンを使用する構造を扱う際により分かりやすくなりました。
F# コード補完のさまざまな部分を書き直すことで、動作が高速化され、メモリ使用量が削減され、より正確な提案が提供されるようになりました。
メタデータのビルドを最適化し、一貫性のない解析やフリーズの原因となる問題を修正し、キャンセル機能を改善してコード編集のパフォーマンスを向上させました。
F# のサポートに関するその他のバグ修正と改善点については、こちらをご覧ください。
Windows および Linux ユーザー向けの IDE に、メインツールバーにメインメニューをマージする新しいオプションが備わりました。このオプションにより、インターフェースがさらに合理化されました。
プラグインをバックグラウンドで自動更新するように Rider を設定できるようになりました。 この設定により、入手可能な互換性のあるアップデートがすべてダウンロードされ、次に IDE を再起動した際に別途の通知なしで適用されます。
このリリースでは、文字列インターンの仕組みを完全に刷新しました。 IDE はソースコード、構文要素、シンボル名、ファイルパスなどの膨大な数の文字列を処理するため、効率的に文字列を処理することが不可欠です。 新しい文字列インターンシステムでは旧バージョンの約 4 倍の一意の文字列が平均して格納され、消費メモリが約半分に削減され、大規模な .NET プロジェクトでリソースが解放されるようになっています。
Razor タグヘルパーと Blazor コンポーネントのサポートが 2025.1 に向けて完全に再構築されました。 この待望の刷新により、コンポーネントを多用する大規模な ASP.NET ソリューションでの解析時間が 5%~10% 短縮されました。 .cshtml/.razor ファイルを編集する際の再解析イベントが減少し、誤ったエラー報告も大幅に削減されます。
2025.1 リリースでは、ウェブフレームワークコンポーネントに関する AI ベースの補完の改善に注力しました。 この変更は、ローカルの行全体コード補完にもクラウドベースの補完の提案にも影響します。
Rider の AI により、プロジェクトの既存の命名規則に従ったユニットテストを生成できるようになりました。 この改善により、テストスイート全体の一貫性が維持され、手動での名前変更の必要性が少なくなり、よりスムーズかつ直感的にテストを組み込めるようになりました。
JetBrains AI Assistant の対応モデルは徐々に増えています! Amazon Bedrock で提供される Claude 3.7 Sonnet と Claude 3.5 Haiku のサポートを追加しました。 これにより、より鋭い回答や迅速なインサイトの提供、よりスムーズな使用感による恩恵を得られます。 AI Assistant の OpenAI モデルのラインナップに o1、o1-mini、および o3-mini が含まれるようになりました。
AI Assistant では、オフラインモードでローカルモデルを使用するか、クラウドベースの AI 処理を使用するかを柔軟に選択できます。 新しいオフラインモードを使用することで、インターネットに接続せずに AI によるコーディング支援を活用できるようになりました。 Ollama または LM Studio によるローカルモデルをチャット、コード生成、コミットメッセージ、インラインドキュメントなどで使用できます。
AI Assistant 機能の詳細については、こちらのページをご覧ください。
.NET アプリケーションをデバッグ中に Rider が子プロセスおよび孫プロセスへの自動アタッチを行えるようになりました。 この機能が実行/デバッグ構成で有効になっている場合、IDE はアプリケーションのプロセスツリー内で生成されたすべての .NET プロセスを追跡し、アタッチします。
この機能は、新しい Attach to child .NET processes(子 .NET プロセスにアタッチする)チェックボックスを使用すると有効にできます。
Rider 2025.1 では LINQ 式のデータ可視化が改善され、複雑な LINQ クエリをデバッガー内で直接理解してデバッグするのが容易になりました。 クエリの実行を検査し、中間結果を確認し、LINQ 操作によるデータ変換動作をよりよく理解できるようになります。 詳細については、この機能のドキュメントをご覧ください。
Rider 2025.1 では、例外ブレークポイントをより正確に構成できる新しいブレークポイント設定オプションが導入されました。 以下を行えるようになりました:
Rider 2025.1 では C++ のデバッグに関する多くの更新が行われており、その中には特に Unreal Engine の開発に役立つ可能性があるものがあります。 新機能を確認するには、こちらをクリックしてください。
dotnet watch 実行/デバッグ構成のサポート Rider 2025.1 では dotnet watch 専用の実行/デバッグ構成が導入され、コード変更に応じて再ビルドや再起動を自動的に行う必要のあるプロジェクトの開発ワークフローが効率化されています。
.cs、.html、または.css ファイルを変更する際には常にアプリケーションがビルドされるようになるため、ASP.NET Core および .NET 開発者は特にこの機能強化による恩恵を受けることになります。 この機能はテストファイルにも拡張されているため、コードが変更されるたびに自動テストを実行することも可能です。
Rider 2025.1 では、実行構成の入出力をリダイレクトできるようになりました。 標準入力(stdin)として使用するファイルを簡単に指定してプログラムの出力をファイルにリダイレクトすることで、デバッグとテストのワークフローを効率化できるようになりました。
さらに、ログファイルを実行構成に添付できるようになりました。 このファイルは、プログラムの実行中に Run(実行)または Debug(デバッグ)ツールウィンドウの個別のタブに表示されます。
.env ファイルを使用した環境変数構成の容易化 Rider 2025.1 では、環境変数の管理が単純化されています。 変数を手動で入力する代わりに、実行/デバッグ構成で .env ファイルを直接使用できるようになりました。 Environment Variables(環境変数)フィールドの横にあるフォルダーアイコン(Browse(参照))を探し、.env ファイルを添付します。 すると、Rider が次の起動時にそのファイルをロードします。 複数のファイルを異なるプロジェクト間で使用することで、一貫した構成を維持することもできます。
コミットの詳細を Diff ペインに直接表示できるようになりました。 Diff ダイアログにコミットメッセージ、作成者、日時、および完全なコミットハッシュが表示されるため、ファイルの履歴をより明確に把握し、変更内容をより素早く理解することができます。
インスペクションと整形に加えて、コミット前チェックを実行する任意のツールを起動できるようになりました。 カスタムチェックは Run Configuration(実行構成)ダイアログで実行構成として構成できます。 これにより、潜在的な問題を早期に検出し、コードをコミットする前にプロジェクトの標準を満たしているかどうかを確認することができます。
Rider で Git リモートを追加または更新する際に変更が自動的に取得されるようになったため、最新のブランチリストとコミット履歴を手動で取得することなく常に確保することができます。 新たに取得されたブランチは、Git ブランチツリーに即座に表示されます。 これらのブランチでの作業はすぐに開始でき、リポジトリは常に最新の状態が維持されます。
VCS 関連の更新に関する詳細については、こちらのページをご覧ください。
Unreal Engine および Unity プロジェクトの両方で NoesisGUI フレームワークのサポートを追加しました。
Rider は XAML 要素やバインディング式のコード補完、エラーのハイライト、エラー説明ツールチップの表示のために NoesisGUI 言語サーバーを使用します。 Rider は XAML ファイルで記述されたインターフェースのプレビューも提供します。
このリリースでは主にデバッガーに注力しましたが、ComplexTest テンプレートから作成されたユニットテストが Rider で実行されない問題などの Unreal Engine に関連するいくつかの更新と修正にも取り組みました。 Rider が UMETA および UPARAM リフレクションマクロを認識してハイライトし、これらのマクロとその属性に対するコード補完とツールチップドキュメントを提供するようになりました。
また、ブループリントのインデックス作成の最適化にも取り組んでいるところです。 メモリ使用量を削減し、プロセスの多くの部分をバックグラウンドスレッドで非同期に実行するようにしました。 これにより、Rider がソリューションを初めて開く際にブループリントのインデックスを作成する際の応答性が向上するはずです。
このリリースでは、非常に大規模なプロジェクトでのステップ実行が最大 50 倍高速化されるなどの重要なパフォーマンス向上を含め、ネイティブデバッガーに有益な多くの更新が実装されています。 詳細については、こちらのブログ記事をご覧ください。
Rider の Natvis ファイルに対するサポートが改善されました。 Natvis ファイルが AppData フォルダーから自動的にロードされ、その他のファイルを含む独自の場所を指定できる新しいオプションが追加されました。
Rider が Natvis ファイル内の合成アイテムを認識するようになったため、デバッガーで型の内容を表示する際に追加のノードが表示されるようになりました。
デバッガーが子プロセスに自動的にアタッチできるようになりました。また、デバッガーがアタッチすべき子プロセスや無視すべき子プロセスを指定するカスタムルールを適用できるようになりました。
Detach process(プロセスのデタッチ)アクションがネイティブアプリケーションにも機能するようになりました。
module.dll!expr 構文を使用することで、式のコンテキスト演算子を指定し、デバッガーに変数やブレークポイント内のシンボルを解決すべき場所を指示できます。
ReSharper の C++ エンジンが更新されたことで、Unreal Engine プロジェクトでも恩恵を受けることができます。たとえば、新しい Inline Macro(マクロのインライン化)リファクタリングや、ユーザーからの要望が多かった各種のキーワードに異なる構文ハイライトを使用できるようにする機能が導入されています。 詳細については、ReSharper C++ の新機能をご覧ください。
Unity のプロファイラーとの実験的な統合機能を追加しました。 設定でこの機能を有効にすると、プロファイラーの Hierarchy ビュー内のエントリをクリックした際に Rider でファイルが開き、各行のプロファイル情報が表示されます。
この機能の詳細については、Rider のドキュメントをご覧ください。
IDE が外部フォルダーとして追加されたパッケージに対するバージョン管理バインディングを正しく認識するようになりました。 これにより、メインプロジェクトと作業中の外部パッケージフォルダーの両方にコミットできるようになりました。
Rider のカラー強調表示で、Unity 6 で追加された補助的な名前でのカラー指定がサポートされるようになりました。
Rider で Unity プロジェクトのリモート開発がより適切にサポートされるようになりました。 具体的には、シェーダーバリアントセレクターが使用可能になり、Unity の Explorer ビューが開いているファイルを正しく選択するようになりました。
Unity にバンドルされている Rider パッケージにいくつかの修正を加えました。 たとえば、ルート名前空間がたまに欠落する問題が解消され、Unity の設定ページから Unity エディターログファイルを直接開けるようになり、Linux で Rider のエントリが重複しなくなりました。
Rider による Godot のサポートで、Godot 4.4 で導入された.uidファイルがサポートされるようになりました。 Rider でファイルを移動したり、リファクタリングで名前を変更したりした際には、対応する .uid ファイルも一緒に移動され、プロジェクトの整合性が維持されます。
Hot Reload(ホットリロード)が Godot C# プロジェクトで機能するようになりました。これにより、デバッグ中にブレークポイントでプログラムが一時停止している間に C# コードの変更をコンパイルしたり、適用したりできるようになりました。
このリリースでは、抽象クラスにデフォルトコンストラクターがない場合に不必要な警告が表示されなくなっています。 また、選択されたエディターが変更された際に外部エディターのコマンドライン引数を自動的に構成するなど、Rider との統合を改善するためのいくつかのプルリクエストを Godot に送信しました。
Rider 2025.1 が .NET Aspire および Azure Toolkit for Rider プラグインを介して Azure Function プロジェクトの実行とデバッグをサポートするようになりました。 この機能に関するフィードバックがありましたら、こちらのチケットのコメントでお知らせください。
Rider の .NET Aspire プラグインが AWS Lambda Function プロジェクトの実行とデバッグもサポートするようになりました。 詳細については、こちらの GitHub の課題をご覧ください。
Rider 2025.1 が Azure Toolkit for Rider プラグインを介して Azure App Services プロジェクトのリモートデバッグをサポートするようになりました(Azure Functions と Azure Web Apps がサポートされています)。
Rider 2025.1 では、以下のような Angular に関する多くの改善が行われています。
Rider 2025.1 では、Blazor WebAssembly(WASM)の発行が適切にサポートするようにしています。 これにより、.NET Publish | Publish to Folder(.NET の発行 | フォルダーに発行)構成を使用できるようになりました。この構成では browser-wasm ターゲットランタイムが使用され、出力に欠落ファイルが発生することはありません。
組み込みの提案が提供されない場合、Rider が(特にインポートに関して)サービス駆動型のクイックフィックスを優先するようになりました。 これにより、関連する修正を最初に表示し、問題解決の手間を軽減し、全体的なコーディング体験を向上させています。
詳細については、WebStorm の新機能ページをご覧ください。
これまでの Rider では Code With Me セッションを開始する場合、Enable Code With Me(Code With Me の有効化)アクションを使用して手動でセッションを有効化し、再起動を行う必要がありました。 Rider 2025.1 ではこの手順が不要になり、IDE を再起動せずにすぐに協働セッションを開始できます。
2025.1 リリースではターミナルのアーキテクチャが改良され、ベータとして提供されています。 ターミナルが安定した標準準拠のコアで動作し、IDE のエディターを使用して UI をレンダリングするようになりました。 この変更により、ローカルかリモートかに関係なくさまざまなプラットフォームで互換性とパフォーマンスを維持しながら、新しい機能を導入できるようになっています。 今後の計画と進捗については、こちらのブログ記事をご覧ください。
Rider 2025.1 では、デコンパイラにいくつかの改良が加えられ、最新の C# 機能のサポートが強化され、コードの可読性が向上しました。 新機能は以下の通りです:
required メンバーのサポート。 System.Threading.Lock 型のサポートを追加。 ref フィールドおよび scoped パラメーター修飾子のサポート。 allows ref struct ジェネリックアンチ制約のサポート。 ref struct 型に対するパターンベースの using のサポート。