PyCharm 2025.2 の新機能

AI Toolkit、PyCharm Community の最後のサポート対象バージョン、AI、Junie、ノートブック関連の改善、.lock ファイルを更新するための永続的な UI などをご紹介します

PyCharm Community から統合版 PyCharm への移行

当社の PyCharm を 1 つの強力な統合製品にする取り組みにおいて、2025.2 は PyCharm Community の最後のサポート対象バージョンとなります。 2025.3 のリリースにあたって、統合版 PyCharm へのスムーズな移行手段を提供する予定です。 2025.2 Community へのアップグレードは、Toolbox App か製品内のアップグレード通知から行えます。

移行を待たずにすぐにでも Jupyter ノートブックを無料で使用できる統合版 PyCharm をご利用になりたい方は、こちらからダウンロードできます。

統合版 PyCharm について詳しく見る

AI Toolkit Pro

PyCharm の AI Toolkit は AI 開発を PyCharm に直接組み込み、実験、デバッグ、評価、微調整、デプロイを 1 つの使い慣れた環境に集約します。

詳細情報

AI Playground Pro

PyCharm 2025.2 では、AI エンジニアが複数の AI モデルの応答を並べて比較できる、汎用性に優れた新しい AI Playground 機能が導入されています。 システムのプロンプトを構成し、個別のモデルパラメーターを微調整することで、Temperature(温度)、Top PMax length(最大長)パラメーターを正確に制御できます。

More Tool Windows(その他のツールウィンドウ)| AI Playground に移動すると、以下のオプションを選択できます。

  • 有料 AI サブスクリプションに含まれるすべてのモデル(これらは AI Assistant トークン実験的機能を使用します。)
  • API キーを介して追加できるカスタムプロバイダー
  • ローカルで動作するモデル

詳細情報

AI Agents Debugger Pro

PyCharm 2025.2 では、AI エージェント開発に透明性とデバッグ機能をもたらすことを意図した強力な新しい AI Agents Debugger プラグインも導入されています。 エージェントのワークフローを理解、デバッグ、最適化する必要のあるエージェンティックシステムを扱う開発者を想定した作りになっています。

AI Agents Debugger は、各エージェントノードの思考プロセス、メタデータ、入出力に関する詳細なインサイトを提供することにより、概して透明性に欠けるエージェント型システムの「ブラックボックス」な性質を変えます。

ダウンロード

Junie

JetBrains が提供するコーディングエージェントの Junie は、コードの計画、作成、改良、テストを自律的に行い、開発体験をスムーズで効率的かつ快適なものにします。 コードの再構築、テストの作成、改良の実装といった面倒な作業を処理してくれるため、より大きな課題やイノベーションに集中できます。

Junie にいくつかの大規模な更新が行われ、その動作速度が最大 30 % 向上しました! MCP のサポートが追加され、それによって Junie を外部サーバーに接続し、より的確な解決策を得られるようになりました。 また、Junie がリモート開発にも対応し(現時点では macOS と Linux に対応)、その GitHub 統合に関する早期アクセスプログラムが開始されました。 この統合により、IDE を開かずにプルリクエストを操作できるようになります。

Junie は、JetBrains AI サブスクリプションの一部として PyCharm に提供されます。

AI Assistant

  • すべてのサポート対象言語で使用できるよりスマートな補完機能。SQL、YAML、JSON、Markdown などをサポートするようになっています。
  • チームのコーディング規則やビジネスロジックに準拠するように AI に指示できるプロジェクトルール。
  • オフラインの柔軟性の拡大 - llama.cpp や LiteLLM など、OpenAI に対応するすべてのモデルサーバーを接続できます。
  • JetBrains AI Assistant で Anthropic および OpenAI モデルを使用する際、チャットに画像を添付できるようになりました。

無制限のコード補完、強力なローカルワークフロー、および制限付きのクラウドベースの機能を含め、PyCharm Pro サブスクリプションをご契約の方はすべての JetBrains AI の機能を無料でご利用いただけます。

ワンクリックの MCP サーバーセットアップで外部 AI クライアントを IDE に接続

PyCharm で MCP(Model Context Protocol)サーバー向けのセットアップをワンクリックで実行し、Claude、Cursor、Windsurf のような外部の AI クライアントを簡単に接続できるようになりました。 ユーザーのマシン上で互換性のあるクライアントが検出されると、IDE によってサーバーの有効化と接続の自動構成が促されます。手動セットアップは不要です。

この統合により、ご愛用の AI クライアントの機能が PyCharm の高度な処理能力によって拡張され、ユニットテストの実行、コードのリファクタリング、ファイルの生成などのアクションを呼び出せるようになります。

詳細情報とサポート対象ツールのリストをドキュメントで確認する

.lock ファイルを更新するための永続的な UI

永続的なコントロールを uv、Hatch、Poetry の .toml 構成ファイルに追加しました。 このコントロールを使用すると、環境内の依存関係を同期、ロック、または更新するための対応するボタンをクリックして .toml ファイルへの変更を反映することができます。

コンテキストに応じた Jupyter ノートブックと SQL セルのコード生成 Pro

ソースセルのコンテキストを考慮する AI Assistant を使用して Jupyter ノートブックと SQL セルのコードを生成できるようになりました。

これを行うには、コンテキストメニューで AI Edit Cell(セルの AI 編集)をクリックするか、右側のツールバーの AI アイコンからそのアクションを使用します。

Django の Logical structure(論理構造)ツールウィンドウ Pro

Logical structure(論理構造)では Django プロジェクトのフレームワーク主体のビューが提供され、直感的にアプリケーションアーキテクチャ内を移動し、それを理解できるようになっています。 Django の観点でプロジェクトが表現されるため、モデル、ビュー、シリアライザー、フォーム、admin クラス、および日常的に扱うその他のコンポーネント間の意味のある関係性を明らかにすることができます。 また、エンティティ間に欠落しているリレーションに対応するテンプレートを生成することもできるため、コードを迅速にスキャフォールドするのに役立ちます

有効な JetBrains AI サブスクリプションをご契約の方は、より高度な機能を使用できます。 AI は基本的なテンプレートではなく、エンティティ間のリレーションを全面的に認識した完全なコードを生成することで、よりスマートでコンテキストが十分に考慮された結果を提供します。

高度な画像処理

新しい画像ビューアーには、元画像の復元、元画像のチャンネルの反転、グレースケールへの変換、二値化しきい値の設定など、追加の操作を実行するためのオプションがあります。

パラメーター情報ポップアップの改修

パラメーター情報ポップアップをより可読性に優れたすっきりとした外観に改修し、すべてのサポート対象言語で使いやすさを向上させました。

  • 長いパラメーターのリストが自然に折り返されるようになったため、上下にスクロールする必要がなくなりました。
  • 可読性を改善するため、パラメーターのハイライトとエディターのハイライトの整合性を取りました。
  • チェックマークが重複する UI 要素として使用されなくなりました。
  • フォント、レイアウト、および背景色が更新されました。
  • ポップアップを開くと、関連するメソッドシグネチャーまで自動的にスクロールするようになりました。

フレームワークとテクノロジー Pro

Angular: テンプレート内の in キーワードのサポート

PyCharm 2025.2 では、Angular 20 で導入された Angular テンプレート内で in キーワードを使用する機能が新たにサポートされています。 これにより、テンプレート内で foo in myObj@if (key in myObj) などの式を直接使用し、対応するコードハイライトや検証の機能をすべて使用できるようになりました。

Prettier 使用時の組み込みフォーマッターの無効化

プロジェクトで Prettier が構成されている場合、組み込みフォーマッターによるファイル全体の整形機能が自動的に無効化されるようになりました。 このため、整形に起因する競合を回避し、コードベース全体で一貫した結果を得ることができます。 その場で適用できる整形やその他のエディターの機能は今後も期待通りに動作しますが、Prettier が存在する場合は Prettier にファイル全体の整形処理が委ねられます。

データベースツール Pro

データベースをより快適に扱えるようにするため、いくつかの魅力的な更新を導入しました! JOIN 句を含む SELECT クエリの結果が編集可能になり、グリッド内でクエリの結果を直接変更できるようになりました。 PostgreSQL と Microsoft SQL Server ではレベル別のイントロスペクションによってメタデータの読み込みが高速化されており、PostgreSQL ではスマートリフレッシュの仕組みが導入され、DDL を変更した後に影響のあるオブジェクトのみを更新できるようになっています。 また、SQLite では WSL ファイルパスがサポートされるようになったことで書き込みロックの問題が解消されています。さらに、MongoDB の接続で読み取り設定とレプリカセットの接続を構成できるようになりました。

これらの機能については、詳細をお読みください。

バグ修正

  • [PY-28509] 相対インポートを使用してモジュールをプロファイリングできない。
  • [PY-60819] Python または PyCharm のインストールパスにスペースが含まれる場合、FLASK_DEBUG=1 でデバッガーが動作しなくなる。
  • [PY-75536] Django コンテナーは Python コンソールと同時に実行できない。
  • [PY-19974] environment.yml/yaml を使用して、Conda 環境の作成と Conda パッケージの管理を行えない。
  • [PY-75294] docker compose run コマンドはデフォルトでポートをバインドし、この動作を無効化するオプションもない。
  • [PY-70287] requirements.txt: 古いパッケージでは警告が表示されない。
  • [PY-81011] Jupyter ノートブックで、コードの提案が受け入れや拒否を選択できずに無期限に残り、コードの前後のセル内のフォーマットされた領域を占有してしまう。
  • [PY-34368] @classmethod@typing.overload デコレーターを使用すると、This decorator will not receive a callable it may expect という誤った警告が表示される。
  • [PY-4330] 未使用のインポートが未解決の参照として分類される。
  • [PY-80762] match ステートメントが Unreachable code(到達不能コード)インスペクションで誤検出を引き起こす。
  • [PY-80455] プロジェクト構造へのファイルのドラッグアンドドロップ操作が機能しない。
  • [PY-80565] StrEnumauto が割り当てられている場合、誤った警告が発生する。