Rider 2026.1 の新機能

Rider 2026.1 では、.NET エコシステムとゲーム開発ワークフローのサポートが改善され、開発者エクスペリエンスが全体的に改良されました。 このリリースのハイライトは以下の通りです。

任意のエージェントを組み込み可能

  • ACP レジストリ: AI エージェントをワンクリックで参照・インストール。
  • Git ワークツリー: 複数ブランチで同時に作業できます。あるブランチをエージェントに任せながら、自分は別のブランチで作業を続行できます。

最新の言語サポート

.NET のサポートと生産性の改善

ゲーム開発の改善

AI

Rider はお好みの AI ツールを業務開発ワークフローに組み込めるオープンプラットフォームとして進化し続けています。

AI チャットで Junie、Claude Agent、Codex に加えて、GitHub Copilot や Cursor などのより幅広いエージェントやエージェントクライアントプロトコル経由でサポートされる多数の外部エージェントを選択できるようになりました。 新しい ACP レジストリにより、使用可能なエージェントを見つけてワンクリックでインストールできるようになりました。

Rider の AI エージェントとの連携に関するその他の改善点は、こちらをご覧ください。

ソリューションの読み込みとコード補完の高速化

Rider 2026.1 では、日々の作業で目にする部分でパフォーマンスが改善されています。

参照先アセンブリのインデックス作成を効率化することで、ソリューションを開いて実行中のプロセスにアタッチするまでの時間が短縮されました。 インポートの提案などのコード補完の応答性が向上し、中断が減ったため、作業に集中しやすくなりました。

コード解析も最適化されており、全体的な IDE のオーバーヘッドが低下しています。

最新の言語サポート

C#

Rider 2026.1 では、コード解析の改善、新しいインスペクション、および進化し続ける言語機能のサポートが導入されています。 移動操作とリファクタリング、さらには必要に応じて不足している拡張メンバーを自動的にインポートするクイックフィクスの改善などにより、C# 拡張メンバーのサポートが強化されています。

このリリースでは、コレクション式の引数や [ExtendedLayout] 属性のような C# 15 プレビューの言語機能への早期サポートも導入されているため、言語の進化に合わせて新しい構文を試すことができます。 また、複数の新しいインスペクションやスタイルオプションが追加されており、有効期間の短い HttpClient インスタンスや ImmutableArray<T> での不正なコレクションイニシャライザーの使用など、見逃しやすい小さな問題を検出することができます。

Rider の C# コードインテリジェンスは ReSharper によって提供されています。 C# 言語に関する更新内容をさらに詳しく知りたい場合は、ReSharper 2026.1 の新機能ページで詳細をご覧ください。

F# のデバッグ改善

Rider の F# をサポートする新しい Smart Step Into(スマートステップイン)により、ステップのターゲットをより簡単に選択できるようになりました。 デバッガーでは関数呼び出しの戻り値も表示できるため、必要以上にログの記録を追加しなくてもプログラムの流れを把握できます。 async 式と task 式のステップ実行が改善され、F# のデバッグに影響する複数の問題が解決されました。

すべての更新内容と修正については、F# プラグインのリリースノートをご覧ください。

.NET のサポートと生産性の改善

ファイルベースの C# プログラムのサポート

Rider が dotnet run file.cs で実行可能な単体ファイルの C# プログラムをサポートするようになりました。 IDE からスタンドアロンの .cs ファイルを直接開いて実行できるため、.csproj は必要ありません。

Rider のエディターは、トップレベルのステートメント、#! シバン、#: ディレクティブ(#:package#:sdk など)を含むファイルベースのプログラムを認識します。 コードハイライト、コード補完、実行マーカー、デバッグ機能のすべてを使用可能で、簡単なスクリプト、プロトタイプ、単発のツールを単体の C# ファイルとして作成することができます。

NuGet パッケージマネージャーコンソール プレビュー

Rider 2026.1 では NuGet の PowerShell ベースのワークフローが導入され、現時点ではプレビュー段階にあるパッケージマネージャーコンソール(PMC)が提供されています。

新しいコンソールは標準的な NuGet PowerShell コマンドに加えて、NuGet パッケージ自体が提供するコマンドもサポートしています。 Entity Framework Core の PowerShell コマンドが完全にサポートされているため、Rider を離れることなく馴染みのある EF Core ワークフローを活用できます。

NuGet と Entity Framework Core のコマンドは、NuGet ツールウィンドウから実行することも、ターミナルから直接実行することもできます。 NuGet ツールウィンドウでは、UI コントロールでパッケージソースとデフォルトのプロジェクトを選択できます。 ターミナルベースのコンソールの場合、このコンテキストは PowerShell プロンプトに表示され、PowerShell コマンドを使用して変更できます。

この機能に関するご意見をこちらでお聞かせください。

Azure DevOps: リポジトリのクローン機能

新たにバンドルされた Azure DevOps プラグインを使用すると、Rider から直接リポジトリをクローンできます。

この機能を使用するには、File(ファイル)| Open(開く)| Get from Version Control(バージョン管理から取得)に移動し、プロバイダーのリストから Azure DevOps を選択します。 Rider で個人用アクセストークン(PAT)を使用して認証を行うと、そのアカウントで使用できるリポジトリが表示され、IDE から表示されているリポジトリを直接クローンできるようになります。

.NET 逆アセンブリビューアー

C# コードから生成されたネイティブの逆アセンブリを Rider から離れることなく表示できます。 新しい .NET Disassembler プラグインをインストールすると、JIT、ReadyToRun、NativeAOT コンパイラーが生成した出力を新しい ASM Viewer(ASM ビューアー)ツールウィンドウ内で検査できるようになります。

Windows 上での MAUI iOS 開発ワークフローの円滑化

Windows 上で iOS 向けの .NET MAUI アプリケーションを開発するには、Rider から Mac ビルドホストに接続する必要があります。 Rider 2026.1 ではリモート環境を自動的に準備する新しいセットアップを利用できるようになり、このワークフローが合理化されました。

Mac に接続した際、Rider が macOS、Xcode、.NET SDK、必要な MAUI ワークロードなど、すべての項目がリモートシステムで構成されていることを検証するようになりました。 何らかのコンポーネントが不足している場合は、Rider が対象のコンポーネントを自動的にインストールまたは更新し、より迅速に作業を開始できるようにします。

また、Windows 上での MAUI iOS アプリケーションのビルド、デプロイ、およびデバッグの信頼性が向上しました。 診断と接続の安定性が改善され、以前は MAUI アプリの iOS シミュレーターや Windows デバイスへのデプロイを妨げていた問題が解決されています。

ゲーム開発の改善

Unreal Engine 向けの Android および iOS での全面的なモバイル開発のサポート

Rider 2026.1 では、両方の主要モバイルプラットフォームで Unreal Engine 向けのモバイルゲーム開発が全面的にサポートされています。 このリリースでは Rider 2025.3 で導入された Android ベースのモバイルデバイスと VR デバイス向けのデバッグのサポートが拡張され、iOS ベースのモバイルデバイスと VR デバイスもサポートされるようになりました。

macOS 版では iOS デバイス上で動作する Unreal Engine ゲームを Rider から直接デバッグできます。 使い慣れたデバッガーのインターフェースの中でブレークポイントの設定、変数の検査、コードのステップ実行、コールスタックの解析を行うことができます。

最初のプロビジョニングと署名のための Xcode の設定は、Apple の要件に従って引き続き必要となります。

UE プロジェクトでの変数検査を大幅に高速化

Unreal Engine プロジェクトのデバッグ時に複雑な変数を検査する際の速度と応答性が大幅に向上しました。 コンテナーを展開する際にデバッグセッションが遅延することがなくなり、より簡単にオブジェクトの状態を調査して実行時の状況を把握できるようになっています。

この改善は、Rider のデバッガーが使用する Natvis 式のパーサーとエバリュエーターを書き換えることによって実現されました。 書き換えられたエバリュエーターによる変数の検査はウォーム実行時で 87 倍、コールド実行時で 16 倍高速化しており、デバッガーのメモリ使用量は以前の 3 分の 1 強に低下しています。

その実現方法については、公式ブログで詳細に取り上げています。

ブループリント関連の改善

Unreal Engine ブループリントと C++ コードを横断した使用箇所、イベント実装、およびデリゲートのバインディングの検索の信頼性が向上し、複数アセット間でのゲームプレイロジックの関係性をより簡単にトレースできるようになりました。

Code Vision が BlueprintPure 指定子をサポートするようになり、ブループリント内のブループリントイベントの実装を正しく検出するようになりました。 Find Usages(使用箇所の検索)も改善され、追加の BlueprintAssignable デリゲートバインディングを識別するようになりました。

ブループリントの使用箇所の検索でブループリント名ではなくアセットのパスが使用されるようになったため、複数の名前が同じブループリントが存在する場合でも正確な結果を得られるようになりました。

Rider の C++ インテリジェンスは JetBrains ReSharper C++ によって提供されています。 このリリースにおける C++ 関連の改善の概要全体については、ReSharper C++ 2026.1 の新機能専用ページをご覧ください。

Unreal Engine プロジェクトでのインデックス作成の高速化とメモリ使用量の削減

大規模な Unreal Engine コードベースでの作業が著しく迅速化され、リソースの効率が向上しました。 JetBrains 社内で Epic Games の Lyra サンプルプロジェクトを使用して評価を行ったところ、最初の C++ のインデックス作成が 20% 以上高速化し、初めてプロジェクトを開いてから作業に着手可能になるまでの時間が短縮されました。

すでにインデックスが作成されているプロジェクトを開いた場合のバックエンドのメモリ使用量は約 14% 低下し、IDE のメモリ使用量が削減されたため、より多くのリソースをワークフローの他の部分で使用できるようになりました。 ウォーム起動も 10% 高速化したため、セッション間でのプロジェクトへの切り替えがより瞬時に感じられるようになりました。

また、Rider で Unreal Engine プラグインのインデックス作成がデフォルトで行われるようになりました。 Unreal Engine プロジェクトでプラグインが使用されるケースが増えており、最近はパフォーマンスが改善されたため、プラグインのインデックスをデフォルトで作成することによってコード解析と移動操作をあらかじめ改善するようにしています。 Settings(設定)の Language & Frameworks(言語とフレームワーク)| C/C++ | Unreal Engine タブで以前の動作に戻すことができます。

C++ ゲーミングプロジェクトでの CMake のサポート ベータ

Rider 2026.1 では CMake ベースの C++ プロジェクトのベータサポートが導入され、そのようなプロジェクトを IDE で直接開いて編集・ビルドできます。 そのため、他のビルドシステムに切り替えることなくクロスプラットフォームプロジェクトに取り組みやすくなっています。

今回の初期実装では、CMake 構成ファイルの編集やデバッグのワークフローを含む C++ のワークフローに注力しています。 一部のワークフローやエッジケースでは依然として改良が必要かもしれませんが、今後のリリースで引き続きパフォーマンスや互換性を向上させる予定です。 こちらのチケットでぜひご感想をお聞かせください。

このサポートは、CMake ベースのエンジンやツール群を中心にビルドされるプロジェクトなど、CMke を使用するゲーム開発ワークフローをサポートする目的で追加されています。 一般的な C++ の開発と組み込み開発が目的であれば、CLion は引き続き主な JetBrains IDE として機能します

Unity プロファイラー統合の再設計

Unity Profiler の統合が再設計されたため、Rider 2026.1 では最高水準のゲームプロジェクトのパフォーマンス調査が可能になっています。

Unity Profiler のスナップショットを Rider で直接開き、専用の Profiler(プロファイラー)ツールウィンドウでフレームとコールスタックの構造化ビューを使って解析できるようになりました。 タイムラインビューにフレーム当たりの CPU 時間が表示されるようになったため、遅延フレームとパフォーマンスホットスポットを迅速に特定することができます。

プロファイラーのデータはコードと密接に統合されています。 プロファイラーの各フレームやコールスタックから対応するソースへ直接移動できます。エディターのガターインジケーターには実行時間とメモリの情報がインラインで表示されます。

この統合により、Unity Editor と Rider 間のコンテキストスイッチングが減るため、実行時の問題を調査する際にパフォーマンスデータとコードの間をより自然に移動できるようになっています。

Rider はプロファイリングそのものは実行しないため、Unity が生成するプロファイラーデータを使用していることに注意してください。 使用方法については、公式ドキュメントをご覧ください。

Windows 版の .NET の混合モードでのデバッグ

Rider 2026.1 では混合モードでのデバッグが導入され、1 つのデバッグセッションでマネージドコード(.NET および .NET Framework)とネイティブコード(C/C++)の両方をデバッグできるようになりました。 これは、.NET コードがネイティブライブラリやマネージドとネイティブが混在するコンポーネントからビルドされたゲームエンジンを呼び出す場合など、マネージドとネイティブの境界を超えるアプリケーションで特に有益です。

この機能は現在、Windows のみで提供されています。 この機能に関するフィードバックは、こちらのチケットからお寄せください。

Godot エディターの統合を強化

Rider の Godot 統合には、Godot エディターと Rider を橋渡しする新しいアドオンが含まれます。 このアドオンを Godot ツールバーで有効化すると、Godot エディターの設定が自動的に構成され、よりスムーズに Rider で開発できるようになります。

Godot エディター組み込みの AssetLib で「JetBrains Rider Integration」と検索することから始めましょう。

プラットフォームと IDE の変更点

Git ワークツリーによる複数ブランチの同時操作

Rider はお好みの AI ツールを業務開発ワークフローに組み込めるオープンプラットフォームとして進化し続けています。

AI エージェントの進化に伴い、複数タスクの並列実行が大幅な時間短縮手法になりつつありますが、Git ワークツリーはまさにその目的に大いに役立ちます。 AI 駆動型ソフトウェア開発の最先端のワークフローをサポートするため、Rider に最高水準の Git ワークツリーのサポートが導入されました。 緊急のホットフィックス用に別のワークツリーを作成し、別のワークツリーを AI エージェントに引き渡し、main ブランチで作業を続行できます。これらすべては、作業を中断することなく常に行うことができます。

エージェントを使用しない場合でも、ワークツリーによってブランチの切り替えにかかる時間を節約することができます。これは、大規模なプロジェクトの場合には特に効果的です。

データベース操作

AI チャットと Codex、Claude Agent の統合でユーザーが接続したデータベースが完全に標準でサポートされるようになりました。 IDE から自然言語でデータベースの状態を照会、解析、変更できるようになりました。 外部エージェントでも MCP サーバー経由で同じ機能を使用できます。

データソーステンプレートを使用してデータソース設定を JetBrains Account 内に保存できるようになりました。 このアップグレードは All Products Pack ユーザーや JetBrains IDE の複数のインスタンスを使用するユーザーにとっては特に有益で、データベース機能を備えたすべての JetBrains IDE でデータソースのテンプレートと設定にアクセスすることを可能にします。

Code With Me のサポート終了

IDE を継続的に進化させ、開発者にとって最も有益な部分に注力するため、協働コーディングとペアプログラミングのサービスである Code With Me のサポートを終了することを決定しました。 近年はこの種の機能に対する需要が低下していることから、業務ソフトウェア開発に適したよりモダンなワークフローを優先させています。

バージョン 2026.1 からは Code With Me がすべての JetBrains IDE にバンドルされなくなります。 その代わり、JetBrains Marketplace で独立したプラグインとして提供されるようになります。 2026.1 は Code With Me を公式にサポートする最後の IDE バージョンとなり、その提供は段階的に終了される予定です。

この発表の全文とサポート終了の時期については、こちらのブログ記事をお読みください。